コミュニケーションでは、わかってもらえないことがあります。
わかってほしいことがあって話をするものの、相手から否定的な反応が返ってくる。
「同意できない」
「理解できない」
「意味がわからない」
わかってもらえないとき、がっかりするかもしれません。
頑張って話した自分がむなしく感じるかもしれません。
「どうしてわかってくれないの!」と怒りを覚えることもあるでしょう。
しかし、わかってもらえなくても、じたばた騒がないことです。
わかってもらえなくていらいらするのは「わかってもらえて当然」という考えがあるからです。
それは身勝手で独りよがりの考えです。
わかってもらえて当然と考えているから、わかってもらえないとき、むっとします。
「こんなに一生懸命話しているのに!」「こんなにたくさん話したのに!」と腹が立ちます。
過大な期待をしている自分に気づくことです。
一方的に期待される相手も迷惑です。
きちんとわかってもらうことは簡単なことではありません。
自分と相手とは別々の人間です。
生まれも育ちも違い、別々の人生を歩んできたでしょう。
個体としては別存在ですから、どこかでうまく伝わらないことはあって当然です。
きちんと100パーセントわかってもらうのはなかなか難しいのが現実です。
特に「価値観」の関わることとなると、さらに難易度は高くなります。
価値観は、その人の生き方やアイデンティティーに関わることです。
相手の価値観を塗り替えるのは並大抵のことではありません。
「わかってもらって当然」と考えるのはよくありません。
「わかってもらえなくて当然」と考えるのが正解です。
わかってもらえなくてもいらいらしないでください。
がっかり落ち込むこともありません。
相手を恨んだり憎んだりすることもしません。
わかってもらえなくても、あまり深く気に留めず、さらりと流してしまいましょう。
「わかってもらえなかったか。まあ、当然だよね」でいいのです。
わかってもらえたら、理解してくれた相手に感謝しましょう。
わかってもらえることはありがたいことです。
「なんとなくわかるよ」という半分理解の返事でも、快く受け入れてください。
ちょっとわかってもらえただけでも御の字です。
わかってもらえなくて当然と思えば、ちょっとわかってもらえただけでも喜べます。
万一あっさりわかってもらえるようなことがあれば、奇跡に値します。
「素晴らしいことが起こった!」と感動してください。
相手の理解に頭を下げ、深く感謝しましょう。