お金は使ってこそ、巡り回ってまた自分のところへ返ってきます。
使わないと戻ってきませんし、返ってこなければ、使い方が下手だと言うことです。
一時的な快楽のために使ったのでは、そこからは何も生まれてきません。
私の家庭でもお金は貯めつつ、賢く使って、世の中へと戻していくようにしています。
稼いだお金をすべてため込むのではなく、必要なときにはしっかり使い、世の中で循環するようにしています。
「金は天下の回りもの」という言葉があります。
お金は世の中の1カ所で貯めておくのではなく、世の中全体に行き渡るように循環させなければならないということです。
人間の体も血液の循環が悪いと健康に害を及ぼすように、世の中もお金の流れがよくないと経済が悪くなるということなのです。
私の父はときどき、大きな金額を一度に使うときがあります。
会社の人たちとゴルフをするために、お付き合いで休日にも出かけていき、1日に2万円も使ってしまうときがあります。
初めは当然のごとく、節約家の母が怒っていました。
おなじみの「もったいない」を連発して小言を言っていました。
しかし、話の終わりには「自分が稼いだお金だから、本人の使い方に任せる」と言います。
母も、父のお金の使い方は好きなように任せているようです。
どんなことに好きと感じるのかは人それぞれです。
好きな趣味を制限させるようなことを言いたくなかったのです。
父は節約をすればいいわけではなく、お金が貯まれば人間関係の向上のために、ゴルフという趣味にお金を使っていました。
お金を使った代価として、ゴルフの楽しみと人間関係の向上を受け取ります。
使ってこそ初めてお金としての効力が発揮され、それ相応のサービス、効果、効き目、楽しみを受け取れます。
それが人間関係の向上という形で表れたり、知識が増えて自分の生活が豊かになったりするという形として、返ってくるのです。
きちんと世の中にお金が巡回するようお金を使い、そのうえ自分の人生に残る使い方をしています。
ゴルフで楽しんだ父は人間関係もよくなり、また仕事もスムーズにはかどるわけです。
公私ともに充実とは、このことです。
実は、お金を稼ぐということは、それほど難しいことではありません。
ただ働けばいいだけです。
仕事の種類によっては、専門的な知識や技術も必要がなかったりします。
しかし、その一方、お金を上手に使うためには高度な知恵が必要です。
お金は稼ぐより使うほうが、奥が深くて難しく、そのうえタイミングもあるのです。
キャバクラ、飲み歩き、タバコのような一時的な快楽のために使っても、人生を豊かにするほどの深い感動や成長がありません。
生産性がなく、何も生まれてこない使い方です。
特にタバコは、よい影響が返ってくるどころか、悪い影響が返ってきてしまい、向上するどころか下降してしまう使い方となります。
それに対して生きたお金の使い方とは、人間関係が向上したり、知識を豊富にしたりするような使い方のことです。
お金を使った分だけ自分に返り、向上が得られるからです。
お金を使って自分を向上させ、向上した自分がさらにお金を稼いで使っていく循環を作れる人が、お金持ちになれるのです。