尿意や便意といった生理現象を我慢する人がいます。
「トイレに行く時間がもったいない」
「尿意はあるけど、まだ我慢できそう」
「時間が惜しいから、ぎりぎりまで我慢しよう」
たしかに生理現象を我慢すれば、トイレ休憩の時間を省けます。
1回分のトイレ休憩を我慢すれば、1回分の時間が浮きます。
考え方によっては「時間の節約」とも言えるでしょう。
何度もトイレに行くと時間の無駄が増えるため、トイレに行く回数を減らそうとする人もいるのではないでしょうか。
「時間の節約」という意味では、生理現象の我慢にも意味があるように思えるかもしれません。
しかし、実際は違います。
ここに落とし穴があります。
生理現象を我慢していると、それに気を取られます。
生理現象は、本能にかかわる現象のため、無視するのはきわめて難しい。
尿意や便意に耐えることで、注意がそがれ、目の前の仕事に集中しにくくなる。
余計な緊張を感じることで、仕事のスピードが遅くなり、質も悪くなります。
結果として、仕事の生産性の低下につながるのです。
生理現象の我慢には「疲れやすくもなる」というデメリットもあります。
生理現象を我慢することは、軽い運動しているようなものです。
尿意を我慢するとき、膀胱付近の筋肉に力を入れ続けることが必要です。
便意を我慢するなら、肛門周りの筋肉に力を入れ続けることになるでしょう。
エネルギーの無駄遣いが増え、余計な体力を消耗します。
結果として、疲れやすくなるのです。
生理現象を我慢したところで、いいことはありません。
表向きは時間の節約に見えますが、実際は時間の節約になっていません。
生理現象を我慢していると、体力や集中力が削られ、肝心の仕事に集中しにくくなります。
時間の節約どころか、むしろ時間の無駄を増やす行為なのです。
尿意・便意があるなら、余計な我慢はせず、早めに解消させましょう。
「トイレに行く時間がもったいない」
そう思う時間があるなら、さっさとトイレに行きましょう。
トイレ休憩1回分の時間より、生理現象の我慢のせいで質が悪くなった時間のほうがもったいない。
1回分のトイレ休憩とはいえ、ほんの数分でしょう。
トイレ休憩は、ほどよい気分転換にもなります。
たった数分のトイレ休憩で、集中力を取り戻せるのですから、これほど楽なことはありません。
尿意から解放されれば、体力の節約になり、集中して仕事もできるようになります。
「生理現象を我慢する人が偉い」という根性論も不要です。
当たり前のことを当たり前にするだけです。
生理現象を我慢しないことが、時間の質を高めるのです。