「時間の使い方が上手な人」
そう聞いて思い浮かべるのは、どんな仕事の様子でしょうか。
普通に考えるなら、無駄を省いて効率よくスピーディーに仕事する様子をイメージする人が多いのではないでしょうか。
余計な雑談は避け、ストイックに効率を追い求め、できるだけ早く仕事を仕上げる様子です。
いわゆる、クイックです。
たしかにスピードが求められる仕事では「クイック」が大切です。
金銭と責任が絡んでいる仕事なら、余計な無駄を省いて、きちんと仕上げる必要があります。
仕事を素早く仕上げることも、付加価値の1つ。
時間の無駄遣いを避けている点では、最高の結果です。
集中力を発揮しながらスピード感を持って仕事をすることで、より高い結果を発揮しやすくなるでしょう。
それはそれで、時間を上手に使う意味になるでしょう。
しかし、何でもクイックがよいわけではありません。
時にはスローが大事になる場面もあります。
たとえば、紅葉を楽しむ場合です。
旅行で紅葉を楽しむなら、スローが大事です。
バスや電車でさっと通り過ぎてしまうと、ほとんど景色を楽しむ余裕がありません。
一瞬見て終わりでは、紅葉の色鮮やかで幻想的な雰囲気を楽しめない。
記憶にも残りにくくなります。
美しい風景を楽しみながら、のんびりするから、贅沢な時間の流れを実感できます。
紅葉は、あえてスローを楽しむことで、じっくり感動ができます。
記憶にもしっかり残り、美しくて印象深い思い出になるのです。
またフルコースのディナーでも、スローが大事です。
急いで食べると、せっかくの味を楽しむ余裕がなくなります。
順番に出てくる一品をゆっくり楽しみながら食事をするほうが、同席者との会話も弾むでしょう。
スローを楽しむことで、たった1回の食事であっても、思い出と呼べるほど有意義な時間を過ごせます。
クイックだけでもいけない。
スローだけでもいけない。
どちらのほうが大切なのか考えるのはナンセンスです。
どちらも大切です。
「とにかくスピードさえあればよい」と、クイック一辺倒で考えないことです。
それぞれ役割が異なるため、目的に応じた使い分けが大切です。
クイックとスローを使い分けてこそ、本当に時間の使い方が上手な人なのです。