私が実際に経験した失敗談をお話しします。
学生のころ、勉強は夜によくやっていました。
夜のほうが静かで、集中ができるような気がしたからです。
親も寝て、外も暗く静かになると、集中できる環境が整います。
しんと静まり返った雰囲気になり、勉強がはかどるような気になります。
中学生のころは、いつも夜遅くまで勉強をしていました。
しかし、恥ずかしい話ですが、実際はしているつもりになっていただけでした。
夜遅くまで勉強しているからとはいえ、実は勉強がはかどらず、ただ眠気を我慢しているだけでした。
当然成績は上がらず、むしろ下がってしまうありさまです。
夜遅くまで勉強しているといっても集中していない状態で、実はほとんどがぼうっとしているだけです。
あなたも経験ありませんか。
夜中に頑張ろうと思っても、なかなかうまくいきません。
夜は眠くなったり、テレビに見入ってしまったり、うっかり漫画を読み始めたり、部屋の掃除を始めたりします。
心の緩みが原因で、本来の目的とは違った方向へ脱線してしまうのです。
「夜に集中してやります」という人がいます。
疲れが最もピークに達しているであろう夜は、実はなかなか集中できません。
集中ができているとしても「しているつもり」で終わっている場合があります。
疲れのたまらないロボットやサイボーグなら、わかります。
ですが人間なら、当然疲れはたまり、夜は眠くなり、集中どころではなくなるのが当然の話なのです。
学生時代の私が夜に集中して失敗したように、夜は当然集中ができる時間ではないのです。
集中は、たっぷりの睡眠をとって体力や気力、疲れを回復させた「朝」しかできないものなのです。
夜に頑張りますというのは嘘で、元気が充電された朝でなければ本当は頑張れないのです。
私はそうした学生時代の失敗を生かし、今ではほとんどの知的作業は朝や午前中に行うようにしています。
思ったとおり、頭を使う作業は朝である午前中のほうが集中できます。
「朝は、眠いから集中できない」という声が飛んできそうですね。
そういう人こそ決まって、睡眠時間がほんの5時間や6時間しかなかったりするのです。
朝眠いのは「朝だから」ではなく「睡眠不足だから」です。
私はいつも7、8時間ほど睡眠時間を取り十分に頭を休ませていますから、朝は眠くありません。
単純に睡眠が十分だからです。
人間は十分に疲れが取れる状態になると、朝は目覚ましがなくても自然に起きられるようになっています。
朝眠いのは、睡眠不足ですよというアラームであり、十分になるまでもっと寝たほうがいいのです。