「眠れない……」
夜、寝られないと悩む人がいます。
いわゆる、不眠症です。
通常、睡眠促進ホルモンであるメラトニンは、夜になれば分泌されます。
そのメラトニンが分泌されるためのきっかけは、2つあります。
(1)時間
睡眠促進ホルモンであるメラトニンは、夜になると、自然と分泌されるようになります。
そのメラトニンが分泌されるためのきっかけは、2つあり「時間」と「環境」です。
時間については、前項でお話ししたとおりです。
夜、眠りを邪魔する要因の1つに「テレビ」があります。
テレビは面白いので、見始めるとつい夜更かししてしまいます。
真面目なニュース番組やドキュメンタリー番組なら、まだわかります。
寝室にテレビを置くのはもってのほかです。
寝室は寝るところです。
寝るべき場所に、テレビは不要です。
不思議と寝られない夜があります。
そんなとき「寝よう寝よう」と思えば思うほど、余計に寝られなくなるのが、睡眠です。
「何とかして寝てやるぞ! 寝なければならない!」という気合が入りすぎると、頭が冴えて、逆に目が覚めてしまいます。
眠れなくて困ったときには、その覚醒を利用して、難しい本を読む機会として活用しましょう。
難しい本を読むと、難しい内容に頭がついていかなくなり、だんだん眠くなります。
たとえ昼間でさえ、難しい本は難解で話についていけず、眠くなります。
安眠のためには、お風呂も重要です。
熱いお風呂より、ぬるめのお風呂に浸かるようにしましょう。
湯が熱すぎると、血流が活発になり、交感神経が優位になります。
安眠のために、マッサージは効果的です。
凝り固まっている筋肉をほぐすと、血行がよくなり、気持ちいいものです。
腕や太ももを、手のひらで揉んでいると、ほどよく体も温かくなり、リラックス効果が生まれます。
寝る前に、ストレッチはいかがでしょうか。
もちろん過度なストレッチや本格的なストレッチをしようと言っているのではありません。
寝る前ですから、軽いストレッチで十分です。
寝る直前の夕食は、体によくありません。
食べたものを消化するため、胃と腸に残業をさせることになります。
大食いなんてもってのほかです。
「寝る前にリラックスしたい」と思い、飲み物を飲みたくなるときがあります。
代表は、コーヒー・紅茶・お茶です。
どれも人気のある代表的な飲み物です。
寝室は、いつもきれいにしておきましょう。
掃除をまったくしていない部屋だと、ほこりっぽくなり、空気が悪くなります。
ごみや雑誌で散らかっていると、夜起きてトイレに行くとき、つまずいてしまいけがのもとです。
夜、眠りやすいからと、寝酒を飲む人が多いようです。
眠りやすくなるから、わざとお酒を飲んで酔ってしまうというのです。
1杯くらいのお酒ならまだわかりますが、大量のアルコール摂取は危険です。
私は、夜、寝る前にはよくアロマをたいています。
疲れたときには、ストレッチやマッサージもいいですが、アロマセラピーも負けないくらいリラックスできます。
学生時代からアロマに夢中になり、今ではアロマセラピー検定1級も取得しています。
冷え性の人におすすめなのは「手袋や靴下を履いて、手先足先を温める」という方法です。
冷え性の人は、指先や足先といった、体の末端が冷えてくるので、いかに温かくして寝るかがポイントです。
特に、冷え性の方にとっての冬は、要注意です。
就寝前のマッサージやストレッチは、安眠には効果的です。
加えて、ツボも押せば、さらに効果は高くなります。
ツボは体全身に300カ所以上あり、それぞれに異なった効果があります。
枕カバーにお気に入りのコロンをつけてみましょう。
枕と鼻の位置は近いので、睡眠に入るまでに香りを楽しめ、また安眠にも効果的です。
私は、アロマの精油を薄めたものを枕カバーにつけて、香りを楽しんでいます。
「かちっ、かちっ、かちっ」
おや、夜に何か聞こえます。
そうです、時計の秒針の音です。
白状してしまいますが、私は学生時代、電話線を抜いて寝ていた時期がありました。
理由は単純です。
夜に電話が鳴ると、睡眠の妨げになってしまうからです。
足先が冷たいと、眠りにくいものです。
足にはたくさんのツボが集まっていて、足のツボを冷やしていると、体全身の血行が悪くなるからです。
そんなときこそ「足湯」に入ると効果的です。
夜は暗いとはいえ、場所と状況によります。
都会に住んでいると、街灯の明かり、隣の家からの明かりで、暗い環境を整えにくい場合があります。
街灯をどけることはできませんし、隣の人に電気を消してほしいとお願いもしづらいものです。
私は学生時代から、耳栓を愛用しています。
もともと学生時代に住んでいた場所が、頻繁に救急車や消防車が行き交いする場所だったことが、使い始めたきっかけです。
多いときで、なんと1日5回以上も家の前を横切ります。
寝るときには、時計を見えないところに置くことが重要なポイントです。
見えるところにおいてしまうと、時間が気になり、寝にくくなります。
目をつぶっているので時計は見えないと考えてしまいますが、ふとした拍子に目を開けて、時間が目に飛び込んでしまいます。
人間は睡眠中、体温調節のため汗をかき、一晩でおよそ200mlの水分を失います。
200mlといえば、コップ1杯分に相当します。
睡眠中に水分不足になれば、体温調整もうまく利かなくなり、暑苦しくて起きてしまいます。
寝る前に汗をかく習慣があれば、寝つきがよくなります。
汗を流すことで体内の老廃物が排出され、また副交感神経が優位になり、リラックス効果をもたらすからです。
たとえば、サウナです。
疲れたから、眠くなる。
これは、人間にとって当然のことです。
本来、睡眠の主な役割は、心身の疲れを回復させることです。
枕を変えると、睡眠の質が変わります。
私はこれまで、枕の不思議な力を何度も体験してきました。
なかなか寝つけなくて困っているとき、枕を変えてみると、ぐっすり寝られるようになったことがあります。
夜に眠くなるためには、メラトニンの分泌が必要です。
メラトニンの生成を促すのは、神経細胞に命令を出す神経伝達物質「セロトニン」が必要です。
セロトニンは、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンと並ぶ、人の気持ちや感情に影響を与える重要な神経伝達物質です。
「安眠の儀式」とは何かというと、これまで紹介した安眠のコツをうまく組み合わせて、一連の儀式を作ることです。
これまでのコツの紹介では、単体で実行することでした。
しかし、組み合わせると、さらに効果は倍増します。