通常、睡眠促進ホルモンであるメラトニンは、夜になれば分泌されます。
そのメラトニンが分泌されるためのきっかけは、2つあります。
1つ目のきっかけは、時間です。
人間の脳の中には「体内時計」と呼ばれる機能があります。
生物が生まれつき脳に備えている、時間測定機です。
現実の24時間と体内時計が一致していれば、夜はメラトニンが分泌され、自然と眠くなります。
しかし、現実の24時間と体内時計がずれている場合は、夜に眠くならず、体内時計が夜だと認識する時間に眠くなります。
では、現実の24時間と体内時計がずれる原因は何でしょうか。
主に2つあります。
地球の自転周期は24時間ですが、体内時計は24時間以上の周期であり、ずれている状態です。
なぜ、体内時計が24時間以上なのか。
それは、地球の自転周期の変化したことに関係しています。
はるか大昔、地球は24時間以上の周期で回っていた時期があります。
体内時計が24時間以上なのは、そのときの名残が残っているといわれています。
しかし、その差分を修正する機能も脳に備わっています。
そのポイントこそ、朝日です。
朝日を浴びれば、ずれを脳は自動的に修正します。
朝に体内時計と現実の時刻と同期を取るため、夜になれば体内時計も夜だと認識して、メラトニンが分泌されます。
朝に寝て、夕方ごろに起きると、脳は体内時計を誤って修正します。
夕方に日光を浴びるため、脳は夕方を「朝」と認識して、体内時計がますますずれるのです。
では、なぜ朝に寝て、夕方に起きるような生活が増えているのか。
さまざまな原因があって一概には言えませんが、中でも特に大きな影響を与えているのは、やはり「あの存在」でしょう。
24時間営業の店なのです。
24時間営業の店が爆発的に増えて、大変便利な世の中になりました。
その反面、便利すぎて、人の生活サイクルに悪影響を及ぼしています。
便利を追求して招いた不便。
私たちのライフサイクルを狂わせているのは、実は便利な「24時間営業の店」という皮肉です。
不眠症を改善するには、当たり前の生活を送ることが第一です。
「夜に寝て、朝に起きる」という当たり前の生活を心がければ、不眠症の大半は解消されるでしょう。