人間は、睡眠時間を短くする努力はしても、長くする努力はなかなかしないものです。
睡眠時間が短いと起きている時間が長くなり、得をしたような気分になります。
また睡眠時間が長いと、だらしない生活を送っていると思われてしまいます。
特に仕事のできない社会人は夜遅くまで残業をして、睡眠時間が短いことを自慢しがちです。
「昨日は深夜2時まで残業だよ。3時間しか寝ていないよ」
顔を引きつらせながら、自慢します。
そんな人の目の下には、黒くて大きなくまができ、不健康そうな表情なのです。
睡眠時間が短いと、周りから「すごいですね」と言われます。
すると、さも自分は、本当にすごいように勘違いしてしまいがちです。
しかし、こうしたことに振り回されないでください。
すごい人でも何でもなく、ただ仕事をするのが遅いだけです。
本当に仕事ができる人は、残業はしません。
早寝早起きであり、睡眠時間も十分にとっています。
見る人が見れば、睡眠不足を自慢する人は、単に仕事の遅い人であり、自己管理能力のない人だと感じます。
勉強にも同じことが言えます。
成績がいい人に限って、いつも「普通」にしています。
勉強ができるくらいだから、さぞ夜遅くまで毎日勉強しているのだろうなと思ってしまいますが、実際はそうではありません。
勉強のできる本人は「普通」そのもので、特に夜遅くまで勉強はしていないと言います。
私が中学生のころ、めちゃめちゃ勉強のできる三好君という同級生がいました。
いつも成績が上位なので、夜遅くまで勉強をしているのだろうと思い、本人に聞くと意外な返事が返ってきました。
「いつも早めに寝るようにしてるよ」と言うのです。
特に無理やり深夜まで勉強はせず、むしろ規則正しい生活を心がけ、睡眠時間は十分にとっています。
「三好君は、いつ勉強しているのだろう?」
勉強している人ほど、いつ勉強しているのかわからないのです。
三好君の謎を解き明かすと、睡眠時間を十分にとっている分、起きている短時間に集中し一気に勉強をするスタイルでした。
特に勉強は、集中するからこそ身につくものです。
だらだら勉強している人は決まって成績がよいとは言えません。
むしろいつ勉強しているのかわからないくらいの人のほうが成績はよかったりします。
それは起きている短時間の間に、勉強を一気に集中して行っているからです。
短時間であるゆえに、集中しているのでその分、身につき具合もよく、成績もいいのです。
あなたが学生であるならば、成績を上げるために少しでも睡眠時間を長くする努力をすることです。
あなたが社会人なら、仕事ができるようになるために、少しでも睡眠時間を長くすることです。
決して睡眠時間を短くしようだなんて逆の努力をしないように気をつけることです。
十分に睡眠を取って、起きている時間に集中力を上げてこなすほうが、能率がいいのです。