完全にできないことがあっても、落ち込む必要はありません。
それは、むしろ幸せなことだからです。
普通に考えたとき、完全にできないことはネガティブ要因に思えます。
明らかな弱点であり、短所です。
完全にできないことがあれば、それを活用した未来も閉ざされるような気がします。
自分にできないことをほかの人が簡単にできていると、自分が情けなくなります。
完全にできないくらいなら、少しでもできたほうがよさそうに思えます。
しかし、ここが落とし穴です。
想像してみてください。
もし中途半端にできることがあれば、どうなるでしょうか。
少しできるなら、もっと頑張ればできそうな気がします。
「もう少し頑張れば、もっと上達するかもしれない」と思う。
「念のため、人並みくらいまでスキルアップをしておこうか」と思うこともあるでしょう。
上達を目指したくなり、時間と労力を割くことになるでしょう。
中途半端にできてしまったばかりに、余計な行動をすることになります。
一方、本来の得意分野も集中しにくくなります。
自分の限りある資源が分散され、本当の強みを深めにくくなる。
結果として、不得意だけでなく、得意まで中途半端になるのです。
なぜ完全にできないと幸せなのか。
それは、潔く諦めることができるからです。
「自分には絶対向いていない」と悟れるのは幸せなことです。
「自分には無理」「完全に不得意」「生理的に受け付けない」という自覚がはっきりしていれば、判断も容易です。
完全にできないことがあれば「無駄な努力をしないで済む」と思って喜べばいい。
完全にできないことがあって諦めたら、実現の道も絶たれるように思えますが、誤解です。
完全にできなければ、できる人にお願いすればいいだけです。
非常識でもルール違反でもなく、社会的にまっとうな方法です。
自分の不得意は、誰かの得意です。
できる人にお願いすれば、時間に余裕が生まれ、自分の得意分野に集中できます。
人の資源には限りがあります。
自分の限りある資源は、自分の適性に集中させたほうがいい。
時間もお金も労力も1つに集中させるから、能力が伸び、才能を磨けます。
結果として、最高の仕事を発揮できるのです。