かつて人類は、火をおこすために悩んでいました。
「火があれば便利。自分たちで火をおこせないだろうか」
悩みながら、さまざまな方法を試した結果、ついに火をおこす方法を見つけました。
その後、火をおこす方法はどんどん進化していき、現在ではボタンを押すだけで火をおこせるようになりました。
悩んでいたおかげで、人類は火を操る能力を得たのです。
薬が発明されたのも、悩んでいたおかげです。
「けがを治したい。病気を治したい。早く治したい。何かよい方法はないだろうか」と悩んだ結果、薬が生まれました。
薬はどんどん進化して、現在では数多くの病に対応できるようになりました。
かつては治療困難とされていた病さえ、現在では薬で治せるようになりました。
便利な道具を発明したのも、悩んでいたおかげです。
「もっと作業を効率的にする道具はないだろうか」と悩んだ結果、道具が発明されました。
道具もどんどん進化していき、便利になっていきました。
かつては海を渡ることすらできなかった人類が、現在では、海を渡り、空を飛び、宇宙にも行けるようになりました。
最初の人類である猿人の脳は、500グラム程度でした。
その後、原人、旧人、新人という段階を経ていき、同時に脳も大きくなっていきました。
脳をたくさん使っていたからです。
生存競争に勝ち、過酷な環境を生き抜くためには、脳をたくさん使う必要がありました。
現在私たち人間の脳は、1500グラムほどです。
最初の猿人のころと比べると、3倍も大きくなっているのです。
悩むことで脳が進化して、多くの解決策を生み出し、生き延びていきました。
私たち人類の歴史は、悩みの連続と言っても過言ではありません。
あなたは今、悩んでいるかもしれません。
それは悪いことではなく、いいことです。
何か答えが見つかるまで、たくさん悩んでください。
悩んで、悩んで、悩み抜き、よい解決策を生み出してください。
解決策を得たとき、あなたは進化します。
悩みが大きいほど、進化も大きくなります。
たとえ解決策が見つからなくても無駄ではありません。
悩むこと自体が、脳にとって進化です。
人は「考える」という特性を持った生き物です。
さまざまな可能性を模索することで、脳の神経ネットワークが密になって、考える力が強くなっています。
表向きには見えなくても、脳の中では進化を遂げているのです。
どうか悩むことを、否定するのではなく、肯定してください。
悩むことは進化することです。
脳が発達している人間にとって、考えることは重要な行為。
悩むことを楽しみましょう。
悩むことは進化の前触れなのです。