日常では、許しがたい出来事に直面することがあります。
ひどい迷惑を受ければ、怒りが発生して、許せない感情が湧き出てきます。
信用している人に裏切られた。
大事にしているものを壊された。
金銭的に大きな損失を受けた。
重要な場面で手違いがあり、ひどい迷惑を受けた。
そんなとき「絶対に許さない!」という反抗的な気持ちになります。
ひどい迷惑を受けたなら、強烈な怒りが湧き起こり、腹が立って仕方ないでしょう。
特に取り返しのつかない一大事なら、許すなんて言語道断と思うはずです。
しかし、許さないのは、簡単ですが、大変です。
許さないということは、24時間365日、刑務所の看守をしているようなものです。
常に緊張していなければならないため、余計なストレスも増え、大変疲れます。
自分でも気づかないうちに、頭の中で「許さない、許さない」と念仏のように唱えています。
「許さない」と意地を張るのは、もうやめにしませんか。
許しがたい行為だとしても、できるだけ許したい。
許そうとすると、心の中で摩擦が発生して苦しくなるかもしれませんが、一時的です。
いったん許してしまえば、もう憎むことも恨むこともなくなるので、気持ちが楽になります。
たとえ相手が謝ってくることがなくても、許してしまいましょう。
相手を謝らせるのは、自分でコントロールしにくいですが、一方的に許すことなら、自分で自由にコントロールできます。
その気になれば、今すぐ許せるはずです。
なかなか許せないなら「時効が過ぎた」ということにすればいいのです。
大義名分が加われば、堅くなった心も柔らかくなり、許しやすくなるでしょう。
許すことは、自分のためでもあります。
許せば許すほど、心の角が取れ、人としての器が大きくなります。
心が軽くなっていき、気持ちも明るくなっていき、世の中が楽しく感じられるようになります。
あなたにとって「絶対許せない」と思う人を思い浮かべてみてください。
その人を今、許してしまいましょう。
許した瞬間から、心を縛り付けていた鎖が解き放たれ、身も心も楽になります。
相手を許す習慣は、楽に生きる習慣でもあるのです。