退職すると決めたとき、最初に報告すべき相手に迷うことがあります。
「最終的に全員に知られるわけだから、誰からでもかまわないのではないか」
そう思う人もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
大なり小なり、職場に影響する報告です。
重大な報告は、最初に報告する相手を間違えると、思わぬ事態を招く可能性があります。
現場に余計な混乱を招いたり、誰かの尊厳を傷つけたりすることがあるため、最初に報告する相手は、慎重な判断が必要です。
最初に報告してはいけない人は、まず同僚や社長です。
同僚から報告すると、おそらくすぐ上司や社長の耳に入るでしょう。
悪い噂は、すぐ広まるもの。
上司に退職を伝える前に、同僚や部下に退職することを言えば、周囲に広まることもあり得ます。
報告を後回しにされた上司は、気分を害するに違いありません。
一方、社長から報告すると、今度は上司の管理能力が疑われ、やはりトラブルの原因になります。
では、最初は誰にすべきでしょうか。
答えは、直属の上司です。
自分を管理しているのは直属の上司ですから、最初に報告すべき相手です。
退職の時期の相談も、現場の責任者である上司にするのが適切です。
どんな上司であっても、この順だけは間違えないようにしましょう。
直属の上司に切り出すときは、言い出しの言葉が重要です。
いきなり「辞めたい」と言うのでは、驚かせます。
丁寧な前置きをしたうえで切り出しましょう。
「今後について大切なご相談があるのですが、ご都合のよい時間はありますでしょうか」
上司は、重大な報告があることがわかるため、気持ちの準備を整えたうえで話を聞けます。
重大な報告をしても、落ち着いて聞いてもらいやすくなるのです。