子犬とじゃれ合っていると、急にお漏らしをすることがあります。
いきなりです。
「おや、どうしたの急に」
急にお漏らしをするのは、じゃれ合っているときだけではありません。
喜び・恐怖・緊張・興奮などしているときには、さまざまな場面でよくお漏らしをします。
飼い主が家に帰ったときに、嬉しくてお漏らし。
見知らぬ犬といがみ合っている最中にお漏らし。
1人きりにされて、寂しさを我慢できず、お漏らし。
なぜ、こうしたことが起こるのでしょうか。
幼犬・成犬・老犬とで、少し事情が異なるようです。
この現象が最もよく見られるのは、生後まだ数カ月の「幼犬」です。
膀胱周りの筋肉が、まだ十分に発達していません。
そのため、飼い主とじゃれ合っているときに、興奮をしすぎて膀胱の筋肉が緩み、お漏らしをしてしまいます。
人にも、子どものころにお化け屋敷の中で興奮や緊張のため、お漏らしをした人もいると思いますが、それと同じです。
飼い主としては「こら」と叱りたくなりますが、叱ってはいけません。
わざとではないからです。
むしろ犬のほうこそ「うわっ、何か出たぞ。大変だ」と驚いているはずです。
対処という対処をする必要はなく、成犬になれば自然と治っていく場合が多いようです。
あえて対処をするといえば「たくさん散歩をして、たくさんの経験をさせること」です。
散歩をすることで、体全身の筋肉が強くなります。
外でさまざまなものを見たり触れたりしているうちに、精神的な成長も促されます。
そうした肉体面や精神面の発達が促されることで、お漏らしからの卒業が早くなります。
基本的にお漏らしは、成犬になればほとんど治ります。
膀胱周りの筋肉が発達しますし、精神的にも強くなりますので、興奮や緊張があっても漏らすようなことはなくなるはずです。
しかし、まれに成犬でもお漏らしをすることがあります。
これは性格的な問題が多いようです。
人間でもそうですが、大人になればすべての人間が精神的に強くなれるとは限りません。
やはり大人になっても、気が弱い人もいるのと同じです。
犬も成犬になったとはいえ、生まれや育ちによって怖がりのままの犬もいますし、緊張に弱い犬もいます。
そうした事情から成犬になってもお漏らししてしまうことがあります。
極度の恐怖や緊張がないように、飼い主が生活をコントロールしてあげましょう。
落ち着いた生活になるように、犬を驚かせることがないようにすればいい。
これでお漏らしがなくなるわけではありませんが、落ち着いた生活を心がけていれば、興奮してもらすことは少なくなるはずです。
意外に、老犬でもお漏らしはよく見られます。
これは老化による原因が考えられます。
老化によって膀胱周りの筋肉に力が入りにくくなり、おしっこを漏らしてしまいます。
もう1つの原因は「認知症」です。
犬がぼけて、老化や玄関などをトイレと間違えて、おしっこをしてしまいます。
この場合は、犬用に「おしめ」があります。
市販されているもので十分なので、おしめをつけて、いつ漏らしてもいいようにしておけばいいでしょう。
このように、成長段階によってお漏らしの原因もさまざまです。
もちろんすべてがこの限りではありません。
ほかにもさまざまな環境要因やさまざまな原因などが考えられます。
犬の年齢や性格面を考慮して「なぜお漏らしをしたのか」を考えていくようにしましょう。
またわざとやっていることではないことを理解してあげましょう。
叱るのではなく、むしろいたわってあげるくらいがいいでしょう。