「ご飯の時間ですよ」
飼い主が器の中にキャットフードを入れた後、猫がやってきます。
食べてからしばらくすると、器に入っている餌に向かって猫パンチをすることがあります。
餌で遊んでいるかのようです。
この不思議なしぐさには、どういう意味があるのでしょうか。
主に3つの理由が考えられます。
猫は野生のころ、常に飢餓と隣り合わせでした。
そのため、一度にすべて食べきれない食料は、空腹になったときに食べられるよう、土の中に隠す習慣がありました。
そのときの餌の一部を土の中に埋めようとするしぐさが、名残として残っているものと考えられています。
これは、キャットフードではなく、人間が食べる食べ物を与えたときによく見られます。
人間が食べる食べ物は、塩分が多すぎたり、猫が苦手な味だったりします。
味・舌触り・においなど、何かが気に食わず、餌に八つ当たりすることがあります。
「こんなの食べられないよ」という猫からの主張です。
無理に食べさせるのはやめ、無難にキャットフードに取り換えるようにしましょう。
猫が野生だったころ、食べきれない食べ物は空腹になったときに備え、土の中に隠す習慣がありました。
しかし、人間との生活となれば、定期的に食事が出ますし、隠す必要もありません。
食べることの喜びを失ってしまいやすい。
食への喜びを忘れ、人間との生活に慣れてしまった猫は、おなかがいっぱいになれば、残った餌で遊んでしまうこともあります。
人間もおなかがいっぱいになれば、スプーンやフォークで食事をいじって遊んでしまいそうになる感覚と近いのでしょう。
さて、こうしたしぐさが見られたときの飼い主が取るべき対応です。
3つのうちどの理由に当たるのかは、状況しだいです。
餌を取り換えたり、逆に引っ込めたりなどして、猫の様子をうかがいながら原因を探ってみましょう。