外出を自由にさせている猫の場合、飼っている猫を家の周りの路地などで見かけることがあるでしょう。
「おや、こんなところで会うとは偶然だね」
飼い主を見た猫は、きっと喜んで近寄ってくれるだろうと期待します。
しかし、飼い主を見ても無視。
近寄ろうとすると、むしろ警戒する姿勢を見せることがあります。
「なんだよ。いつも仲良くしているのに、冷たいなあ」
普段は仲がいいのに、外で会うと、なぜか急にそっけない猫の態度に困惑する飼い主も多いことでしょう。
もし飼い主の存在に気づいていないなら、おそらく猫がパトロール中で忙しく、気づける余裕がなかったのでしょう。
しかし、飼い主に顔を向けて、存在に気づいているにもかかわらず、そっけない態度なら、別の理由が考えられます。
おそらく猫は飼い主だと気づいていません。
猫の視力は弱いためです。
個体差はありますが、おおむね0.1前後といわれています。
そもそも夜行性だったため、視力の弱い猫ばかりです。
10メートルも離れるとぼやけ、20メートルも離れると誰なのかまったくわかりません。
しかも、猫は犬と同じように色の識別も大変苦手です。
色といい視力といい、なにやらさっぱりわかりません。
だからこそ、目の代わりに、鼻や耳が発達しました。
こうした事情から、外で猫と出会うと、飼い主であるにもかかわらず無反応を見せることがよくあります。
もし飼い主だと気づいてもらいたければ、単純に声を出せばいいでしょう。
いつものように「おいで」と言ったり、猫の名前を呼んだりすれば「おや。聞いたことがある声だ」と気づいてくれるはずです。
猫は、耳なら敏感です。
いつもの態度になり、ゆっくり近づいてくることでしょう。