猫の頭や背中をブラシで優しくブラッシングしていると、普段とは違った声を出すことがあります。
「ごろごろ」という声です。
いえ、厳密に言えば「声」というより「音」といったほうがいいでしょう。
口を閉じたまま、どこからともなく聞こえてくるからです。
「にゃあ」と鳴くときは口を開けますが「ごろごろ」という音は口を閉じたまま、猫の体の中から聞こえてきます。
長い間、この音が出る具体的な場所については、専門家の間でも謎とされていました。
しかし、最新の研究から、この音は喉にある「仮声帯」という特殊な声帯から出ている音だということがわかってきました。
リラックスすると、毎秒30回以上で振動し「ごろごろ」という独特の音へと変わっています。
この声を出すとき「最高にリラックスしています」という猫の意思表示です。
人間も最高にリラックスしているときには「ふう~」という声が自然と出てしまいますが、それに近いと考えていいでしょう。
「とても幸せです」という意味です。
ただし、リラックスのときだけでなく、まれにけがをしてじっとしているときに出すこともあるようです。
精神的な苦痛にじっと耐えているときに出ることもあるようです。
人間が肉体的・精神的に我慢をするとき、低い声でうなり声を出すのと似た感覚です。
猫の気持ちを知る、大切な手段の1つなのです。