「さあ、こっちにおいで。なでてあげるよ」
猫をなでていると、ごろごろと気持ちよさそうな音を出します。
こんなとき、気持ちよさそうな顔をして満足した表情を見せます。
リラックスしていると思ったら、あるとき急変します。
驚いた声を出して暴れ、飼い主から離れようとするのです。
別に急所を触ったわけではないのに、なぜでしょうか。
そういうときは、おそらく飼い主のなで方に問題がある場合が多いようです。
猫は、少しでも気に入らないなでられ方をされると、態度が急変します。
飼い主に対してでさえ、はっきり嫌がる態度を見せます。
たとえば、おなかを優しくなでる分には問題ありませんが、少しでも指を立ててなでようとすると、急に嫌がるはずです。
なでるのもゆっくりだからいいですが、少しでも力を入れたり早くなでたりしようとすると、嫌がります。
猫は食事や環境へのこだわりが強いですが、なでられ方へのこだわりも強いです。
しかし、急所に触れるわけでもなく、なで方にも問題ない場合でも、急に嫌がる場合があります。
これは多くの飼い主が「なぜ。何がいけないのか」と困惑するところです。
実は、もう1つ猫が嫌がる意外なポイントがあります。
「長時間、なでられるのを嫌がること」です。
なでると気持ちよさそうな顔をするので、ずっとなで続けてやろうと思います。
人でも犬でも長時間のマッサージは嬉しく感じますが、猫の場合は少し違って、だんだん嫌がり始めます。
初めは気持ちのいいマッサージでも、慣れると「1人にさせてほしい。ほうっておいてもらいたい」と思うようになるからです。
なんというわがままな猫でしょうか。
しかし、飼い主は怒ってはいけません。
猫をなでてやるときには、嫌われない程度になでる時間を短めにするほうがちょうどいいのです。