「猫舌」という言葉を聞いたことがあることでしょう。
熱い物を飲み食いすることのできないことや、そういう人のことを指していう言葉です。
猫舌という言葉のとおり、猫は熱いものが大の苦手です。
人間の場合は、熱いものは「出来立て」や「体が温まる」といったイメージがありますが、猫には大迷惑。
味がどうこう言う以前に、口にできません。
どんなにおいしいものでも、熱すぎるものは一切口にしてくれません。
では、冷たいものがいいのかというと、そうでもありません。
人間の場合は、暑い夏に冷たいものが出てくれば、体が冷えて癒しを感じますが、猫には大迷惑。
猫の臭覚は敏感で冷たいものがいいにおいがせず、食欲が湧きません。
熱いのもいけないし、冷たいものもいけない。
猫はなんとわがままなのでしょう。
いえ、実は猫に限らず、たいてい野生の動物はこうした傾向があります。
野生には動物で火をおこしたり、野生生活に冷蔵庫があったりするわけではありません。
野生にある冷たいものと言えば「死んでから時間が経っている死がい」という印象があります。
それはすでに腐っていたり栄養分が抜けていたりなど、食べられない悪い印象があるため、本能的に避けてしまいます。
たとえ、水でも、冷たすぎると飲んでくれません。
猫に餌をやるときには「常温」のものが一番です。
人間都合で、寒い冬に熱いものを与えたり、暑い夏に冷たいものなどを与えたりするのは、猫にはありがた迷惑。
普通に餌をやるのが、一番なのです。