食事の支度で台所を走っていると、猫が足元に飛びかかってくることがあります。
料理の支度をする邪魔をするかのようです。
また、少し急ぎの用があって猫の前で走ると、急に足に飛びつかれた経験をしたことがあるのではないでしょうか。
歩いているときは普通ですが、走っていると、追いかけられたり飛びつかれたりします。
なぜでしょうか。
これは、走っているときに素早く動く足に反応しているからです。
猫は、小さくて素早く動くものに反応します。
獲物と勘違いをしているわけではありませんが、忙しくしている足の様子に狩猟本能が反応してしまい、飛びつきたくなります。
これをやめさせるよう猫をしつけたいところですが、いかがなものでしょう。
そもそも急ぎ足で走る人間のほうが、品行が悪いと言えるのではないでしょうか。
しつけとは、礼儀作法を身につけさせることです。
ゆっくり歩く猫と、急ぎ足で走る人間とを見比べれば、正すべきは、猫ではなく飼い主のほうです。
考え方を変えましょう。
この猫の習性は、考え方によっては教育になります。
「走ったら危ないよ。ゆっくり歩こう。そのほうがかっこいいよ」
急いで走るマナー違反を、猫が人間に指摘してくれていると考えればいい。
逆に教えられている立場です。
いつも落ち着きのある生活を心がけたいものです。
猫と一緒に暮らしていると、猫が先生になり、ゆったりした余裕のある生活になるよう生き方を指摘してくれます。
猫は人生の師匠になるのです。