夫婦で話し合ったことは「言った、言わない」の議論になりがちです。
言葉で軽く話をしているだけでは、誤解をして受け止めることもあります。
「そんなこと言ったかな」
「うん、言ったよ」
時間とともに、記憶が変化することもあるでしょう。
そこで、おすすめしたいのは「紙に書くこと」です。
夫婦間でいつもコミュニケーションを交わしているなら、必要がないと思われます。
たしかに実際に日常的な細かい取り決めはたくさんあるでしょうし、いちいち紙に書くのは手間がかかります。
毎日のことなら忘れるわけはないので、わざわざ詳しく紙に書く必要はありません。
ただ、ぜひともしてほしいのは「大きな決めごと」です。
1年後や10年後、30年後のような「大きな規模の決定事項」については、紙に書くことをおすすめします。
将来計画の大きな枠組みだけでも紙に書いておくことは、少なくとも夫婦の考えを一致させるのに役立ちます。
初めから具体的に決める必要はなく「将来はこうしたいね」と曖昧な内容でも、きちんと紙に書いておきましょう。
将来のことを、はっきり考える人もいれば、曖昧に考える人もいます。
それならそれで、決められるところだけでも決めておきます。
決められないことは、そのままで結構です。
夫婦は、一生共にする関係です。
明日や来週だけの話ではなく、1年後、10年後、30年後まで考える必要があります。
決められる範囲で、将来のリスクに備え、細かいことまで話し合って決めるほうがいいでしょう。
お金のこと、子育てのこと、老後のことなど、夫婦なら話し合うことがたくさんあるはずです。
曖昧な部分なら「そのとき考えましょう」という決断でもいい。
話し合いを重ねていくにつれ、具体的になってきた段階でまた書き換えればいい。
自分も相手も納得するような買い物はもちろん、人生設計をして、夫婦が協力しやすくなるように決めておきましょう。
将来にわたる全体像だけでも、紙に書いておけば意識を合わせやすくなります。
「言った」「言わない」の対立で、揉めることはなくなります。
なにより紙に書くと、その方向に夫婦が顔を向けやすくなります。
「そういう話をしたね。そうだったね」と、記憶も気持ちも一致しやすくなります。
紙に書くことで、夫婦のすれ違いが少なくなり、書いた方向に向けて夫婦が進みやすくなります。
できれば、ときどきその紙を見直すようにしましょう。
日常でも「そういえばこういう決めごとをしたな」と思い出せば、そういう夫婦の結束を補強する効果もあります。