旧約聖書に、こんな言葉があります。
「与えよ。さらば与えられん」
「与えなさい。そうすれば与えられる」という意味です。
人は、何かを手に入れたいと思ったら、つい手に入れることばかり考えます。
しかし、それでは手に入らないのです。
手に入るのは、与えたときです。
与えなければ、手に入らないのです。
プロ野球選手には、大金持ちがたくさんいます。
プロ野球は、球を打ったり取ったりするだけのスポーツではありません。
人々に、楽しさ、明るさ、興奮、勢いを与えるエンターテインメントです。
野球選手は、多くの人々に、多くのことを与えているため、代償がお金として跳ね返ってきているのです。
往々にしてお金持ちになりたい人は、どうすれば稼げるようになるのか、いつも考えています。
こういう人は、お金持ちにはなれません。
お金持ちになるためには「どうすれば、人々に与えることができるだろうか」と考えることが大切です。
これはお金に限ったことではありません。
夢を叶えることにも、同じことが言えます。
どうすれば、人々に与えることができるのかを考えて見ましょう。
ちょっと変わった視点から世の中を見ると「与える」の意味がよくわかります。
私は幼いころ、お金持ちや芸能人を見て「お金持ちでいいな。楽しそうだな。明るくていいな」と羨ましく思っていました。
それがある程度、大人になった時点で、世の中を違った視点で見ることができるようになったのです。
「たくさんのことを与えているなあ。大きな影響を与えているなあ」と見えるようになったのです。
世の中、成功している人に共通するのは「与える」ことがしっかりできている点です。
うまくいっていない会社は、どこかしら、自分だけの利益を考えています。
うまくいっている会社は世の人々に、幸せ、楽しさ、嬉しさを上手に与えていることができている会社です。
私は、おしゃれなお店が大好きです。
おしゃれなお店を見つけると、自然と引き寄せられるかのように入ってしまいます。
私はデザインやかっこよさ、雰囲気のよさを大切にします。
おしゃれなお店での食事は、ただおいしく食べるだけではありません。
雰囲気を味わう、店内で流れる音楽を楽しむ、出てきた食事の食器を見て、目で楽しむ。
おしゃれなお店では、たくさんの刺激を受けます。
心地よい刺激を、与えてもらっているのです。
それに対して、私はお返しとして、お金を払う。
このやりとりがうまくいっている会社が、今後も繁栄を続けていく会社です。
繁栄を続けていく会社は「与え上手」です。
夢を叶えたいと思ったら、少し自分を振り返ってみましょう。
あなたは自分のことばかり考えていませんか。
たくさんのことを得たいと思うなら、どうすればたくさんのことを与えることができるかを、真剣に考えてみることが大切です。
本当によい影響を人に与えることができるなら、あなたの夢は、実現の方向に向かっています。