世の中には「必要とされるものが残り、必要とされないものは消える」という法則が働いています。
多くの人々から必要とされれば存続できますが、必要とされなくなったら行き場を失います。
まず、この基本を押さえたうえで、次の話を聞いてください。
ある企業が、新商品でヒットしました。
企業にとって売れている商品があれば、もっと売れるためにどうすればいいのかと考えます。
思いつくのは、やはり「高機能・高性能」です。
機能が向上して性能がよくなれば、さまざまことが実現できるため、より多くの人から愛されるに違いないと思います。
売れている商品に、新たな機能をどんどん追加します。
実は、ここが失敗の始まりです。
高機能・高性能は、人々が必要としている機能と限らないからです。
しかも高機能・高性能になるにつれて、使いにくくなります。
1つや2つくらいの機能追加なら、まだいいでしょう。
しかし、5つも6つも機能が追加されれば、ボタンがたくさん追加され、使いにくくなってしまいます。
機能が増えすぎて、かえって使いにくくなります。
「必要とされるものが残り、必要とされないものが消える」と言いました。
必要もしない機能をたくさん追加した結果、使いにくくなります。
そのうち、使いにくいものは必要とされなくなり、市場から消えてしまいます。
私は、高機能・高性能に走って失敗した例を数多く知っています。
高機能・高性能に走りすぎたビデオデッキは、はやりませんでした。
不必要な機能をたくさん追加しすぎために、リモコンのボタンが増えすぎて、操作がしにくくなりました。
若い人ならいいですが、お年寄りにはもはや手軽に使える商品ではありません。
電子レンジ・固定電話・携帯電話・自動車も、どれも同じです。
必要な機能を最低限に絞って深掘りしていくことが、正解なのです。