競争の世界では、誰かが一番です。
1番は、1つだけです。
トップを走っていて、その後を追いかけているという状態です。
たとえば、コンピューター業界です。
世界初のコンピューター「ENIAC」は、第2次世界大戦中のアメリカ陸軍で作られました。
当時は、軍事目的でした。
打ち上げるミサイルの軌道を、素早く計算するために作られました。
世界初というだけあり、想像を絶する巨体が印象的です。
幅は24メートル、高さは2.5メートル、奥行きは0.9メートル、重さは30トンもありました。
しかし、その技術が世界的に革新だったため、他国も追いかけました。
世界中で改良に改良を重ね、高性能・小型化になっていきました。
今では、私たちの生活に当たり前のように浸透しています。
続いてインターネットも、アメリカから始まりました。
インターネットの原形である「ARPAnet(アーパネット)」は、1969年、アメリカの防総省が作り始めました。
軍事では、情報の伝達が重要です。
攻撃を受けたとき、全体が停止しないネットワークシステムを作るためでした。
拠点の1つ災害を受けても、問題なく情報を伝達できるようなネットワークは、これまでになく革新的でした。
当初は、アメリカ国内の一部大学同士のみのネットワークでしたが、徐々に世界へと広まります。
今では、世界中がネットワークに参加しています。
コンピューター業界では、アメリカが先行して、他国が追いかけているという歴史が続いています。
そんなトップを走っている国で起こっている革新は、遅かれ早かれ、自分の国でも同じ革新がやってくる可能性が高いです。
トップを見ることは、近々やってくるであろう未来を見ることと言っても過言ではありません。
ほかの業種も注目しましょう。
今、トップが何をしているのかを知ることは重要です。
遠い夢のような商品やサービスも、私たちの生活に当たり前のように登場する日がやってきます。
そういう歴史が、今もなお続いているのです。