数字のトリックに騙される、典型的なケースを紹介します。
次の数字を純粋に見てみましょう。
ぱっと見た印象から「安くなっている!」と印象を受けるのはどちらでしょうか。
おそらくほとんどの人が、2番目の「1,000円→500円」を選ぶことでしょう。
値段が2分の1になっていますから、ひときわ目立ちます。
50パーセントオフであり、安くなった印象が強いです。
まさに激安とはこのことです。
しかし、です。
夢を壊すようで申し訳ありませんが、本当に安くなっているのは、1番目の「100万→99万」です。
よく数字を見てみましょう。
たしかに100万から99万では、値段としてはあまり安くなっていない印象を受けます。
しかし、きちんと数字で表現すると、事実がわかります。
さあ、これで一目瞭然ですね。
2番目の例は、たった500円しか安くなっていませんが、1番目は1万円も安くなっています。
どちらが大きな金額と尋ねれば、誰もが1万円を選びますね。
実のところ、本当に「安くなっている」のは、1番目の「100万→99万」です。
あまり安くなっている印象はありませんが、数字で表すと、1万円もカットしているという現実が見えてきます。
これが数字のトリックです。
全体からのパーセンテージで考えてはいけません。
安くなった純粋な数字で考えると、現実が見えてきます。
デパートでは「大安売り」という看板を掲げ、1,000円の商品を格安で売っている光景を目にすることがあります。
初めは買うつもりがなかったけれど、破格に安いと「買ってもいいかな」と気持ちが緩みます。
しかし、現実から言えば、あまり安くなっていません。
安くなったという誤った印象を受けた消費者が「安くなっている」という勘違いから無駄な消費をしてしまうという悲劇です。
本当に安くなったと思わなければならないのは、高額商品100万円が99万円になっている場合です。
数字で表すと、1万円も安くなっています。
現実として、カットされている金額が大きいのですから、はるかにお得なのです。