執筆者:水口貴博

数字のトリックを見破る30の方法

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「無料」という甘い言葉を信じると、損をする。

「無料」という甘い言葉を信じると、損をする。 | 数字のトリックを見破る30の方法

「16時から、1階の受付で無料商品券と交換します」

大型デパートでは、ときおり、こうしたアナウンスが流れます。

あなたも一度は、耳にしたことがあるでしょう。

内容は、そのほかにもさまざまな種類があります。

「16時から駐車場が無料になるチケットをお配りします」

「16時から、触れ合い広場でイベントがあります。入場は無料です」

「16時から、500円分の商品券を、無料でお配りします」

このように16時になれば、一部の料金が無料になるおいしい話です。

「無料になるの! だったら行かなきゃ損!」

誰でもそう思います。

さて、ここがわなです。

当然、無料になるほうが得ですから、16時まで時間をうまく過ごそうと思います。

16時まで何をしようかというと、デパート内をうろうろするしかありません。

まずこの16時のイベントは、少しでも長くお客を店内にとどめておくことが、1つの目的です。

16時まで過ごす人たちのおかげで、デパート内の売り上げが上がります。

初めは買いたいと思わなくても、見ているうちに「そろそろ買い換え時かな」と必要性を感じ始め、買いたくなります。

16時という中途半端な時間も意味があります。

レストランコーナーでは、お昼になれば昼食でにぎわい、夕方になれば夕食で賑わいます。

しかし、15時のような中途半端な時間は、お客さんが少なくなります。

お昼に食事をした人たちが、小腹がすいてくる15時あたりに「コーヒーでも」と思いレストランへ入ります。

またレストランの売り上げが向上します。

極めつけがあります。

16時までデパートにいれば、自宅に帰るころはちょうど夕食を作り始める時間です。

さあ、もうお気づきですね。

「16時までいたなら、せっかくだから夕食のおかずも買って帰ろう」

16時までデパートにいるなら、夕食の食材もついでに買って帰ろうと思います。

またまた売り上げが向上します。

デパート側が無料券を配って一時的に損失を出しても、それ以上の売り上げにつながる仕組みです。

損が儲けを上回る計算が、初めからあります。

16時に無料券を手に入れたとしても、無料分以上のお金を16時前後に使うことで、消費者は得どころか損をしています。

無料券を配り、デパート側が損をしているようで得をしています。

この仕組みに、気づくことです。

では、賢い消費者はどうするのかというと、買い物が終われば、さっさと店を出ていきます。

「16時から無料の券をお配りします」というおいしい話があったとしても、見向きもせずデパートを離れます。

何でもそうですが、おいしい話はありません。

おいしい話ほど、裏には何か隠れていると思うことです。

それを知っている賢い消費者だからこそ、目的の買い物が終われば、すぐ店を出ていくのです。

数字のトリックを見破る方法(10)
  • 無料の先には、わなが待っていることに気づく。
「送料は当社が負担」は、送料を商品に上乗せしているだけ。

数字のトリックを見破る30の方法

  1. 数字のトリックに騙されるな。
  2. 安くなったのではない。
    初めからその価格なのだ。
  3. 4桁と3桁の違いに、騙されない。
  4. 賢い消費者は、値段を四捨五入して考える。
  5. わざと期間を書かない期間限定サービス。
  6. ポイント制に、得はない。
  7. 平凡な消費者は「値段→必要性」の順で考える。
    賢い消費者は「必要性→値段」の順で考える。
  8. 数字で考えると、ウエイターが1人しかいない理由が見えてくる。
  9. クレジットカードを使うことで、数字がわからなくなる。
  10. 「無料」という甘い言葉を信じると、損をする。
  11. 「送料は当社が負担」は、送料を商品に上乗せしているだけ。
  12. 同じ効果でも、選択によって大幅な節約ができる。
  13. 数字で考えれば、真実が見えてくる。
  14. 安くなったパーセンテージではなく、金額を見る。
  15. 実績だけを見ていると、騙される。
    どのくらいの期間での実績かを考える。
  16. 英語の結果は、仕事の結果ではない。
  17. お金持ちほど、けちである。
  18. どんなに安くても、価値を感じないところにお金を使わない。
  19. 世の中に、本当の無料メディアはない。
  20. 給料の安さが、あなたに知恵を振り絞らせる機会を与える。
  21. ウインドーに張り出されている優良物件は、客引きである。
  22. 節約のために、自炊が一番とは限らない。
  23. 購入後の維持費の計算を、忘れていませんか。
  24. 金額が大きくなると、金銭感覚が鈍くなる。
  25. 試験結果の90点は、ほぼ100点と考えていい。
  26. 「喫煙者の24時間」は「禁煙者の24時間」以下である。
  27. 金銭感覚を養うためには、1万円札1枚より、1,000円札10枚のほうがいい。
  28. 量は同じでも、単位を変えてしまうだけで、印象が変わってしまう。
  29. 人間は、切りのいい数字が好き。
  30. 言葉の表現を変えるだけで、印象が変わってしまう。

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