バラ、ヒマワリ、アサガオ、コスモス、チューリップ。
まず目を向けるのは「花」ではないでしょうか。
きれいな花びらが広がっていて、美しい色や形も魅力的で、目が釘付けになります。
目の保養になり、うっとり癒やしを感じるでしょう。
花から「こっちを見て! もっと見て!」と言わんばかりの主張が聞こえてくるようです。
もともと花の美しさは昆虫に花粉を運んでもらうための知恵なのですが、私たち人間にとっても魅力的で目を奪われます。
美しい花であればあるほど存在感があり、目だけでなく心まで奪われますね。
心地よい香りも漂っていて、天然のアロマセラピーを楽しむ人もいるでしょう。
花のアロマは、心まで華やかにしてくれます。
ところがその一方で無視されがちなのは「茎」や「枝」です。
花のような美しさや華やかさはなく、地味で存在感が薄く感じられます。
視界に入っていても、スルーする人が多いもの。
「特に美しくない」「鑑賞するほどでもない」と思われることが多い。
みんな花を見るばかりで、茎や枝を見過ごしがちです。
たしかに花に比べれば、美しさ・華やかさは見劣りしますが、だからといって無視するのは惜しいことです。
華やかで美しい花が咲いているのは、茎や枝があるおかげです。
栄養や水分は、茎や枝を通って花に届きます。
茎や枝があるからこそ、花が咲いています。
花にとって茎や枝はなくてはならない存在であり、陰で支えている存在です。
ユニークな特徴があって楽しませてくれることも少なくありません。
ヒマワリの茎も、よく見ると産毛の生えていて面白い。
この産毛は「トライコーム」と呼ばれ、水分を保つ働き、害虫から身を守る働き、強い日光をガードする働きなどがあります。
バラの枝にはとげがたくさんついています。
草食動物から身を守るために発達したものですが、必死に生きようとするバラの強さが感じられるはずです。
バラはトゲがあるからこそ、いっそう美しさが映えています。
花を見て楽しむのもいいのですが、たまには茎や枝にも注目してください。
地味かもしれませんが、地味なりに特徴があります。
茎や枝も、花の一部です。
茎や枝にも鑑賞の価値があるのです。