「日記」と聞いてまず思い浮かぶのは、1日の出来事を書き記したものでしょう。
日記を書き始めると日常が輝いて見えます。
無意識のうちにネタを探すようになって人生が楽しくなります。
もちろん普通の日記もいいですが、ユニークな日記もあります。
それは夢日記です。
普通の日記があるなら、もちろん夢日記もありです。
夢日記も、普通の日記に負けないくらい素晴らしい可能性を秘めています。
鎌倉初期に「明恵上人」という高僧がいます。
京都の栂尾に高山寺を営み、華厳宗の中興を果たした功績があります。
「華厳宗の中興の祖」として有名な明恵上人ですが、彼にはユニークな習慣があることでも知られています。
それは夢日記です。
19歳から書き始め、晩年まで継続しました。
継続期間は、なんと「40年」です!
これほど長期にわたって夢日記を継続したことは注目に値する実績です。
「800年前の夢の記録」という点では歴史的に見ても珍しく、高い価値があります。
夢日記を通して明恵上人の夢を知ることができるのですから面白い。
「夢は潜在意識からのメッセージ」ともいわれています。
明恵上人の夢日記を見ると、彼の潜在意識までのぞいているようで、何とも不思議な感覚があるでしょう。
明恵上人の日記を「800年前の高僧の潜在意識を記した書物」という見方をすれば、興味がそそられるはずです。
夢日記をつけると、よく夢を見るようになります。
明恵上人は毎晩「今日はどんな夢を見るかな」とわくわくしなながら就寝していたことでしょう。
明恵上人は和歌に優れていることでも有名です。
和歌を考える際、夢日記による着想もあったに違いありません。
普通の日記も素晴らしいですが、夢日記も素晴らしい。
夢日記をつけると、人生の楽しみを増やすことになるのです。