「いたずらの罰として今日の夕食は抜きです!」
昔のアニメを見ていると時折見かけるシーンです。
もちろん育ち盛りの子どもの食事を抜くのは言語道断です。
成長期の食事は大事であり、必要不可欠なもの。
昔はあったかもしれませんが、飽食と言われる現代ではほとんどないでしょう。
今の時代、子どもに食事を抜くようなしつけを行えば、虐待に当たるはずです。
「食事を抜く」というペナルティーは害しかないように思えます。
ところがこれが大人の場合となると、ちょっと事情が変わります。
大人の場合「ある選択肢」として活用できることがあります。
それは、自分で自分にペナルティーを与えたいときです。
自分にペナルティーを与えたいとき「一食抜き」という選択肢も検討してみてください。
一食抜きは豊かな食に反した行動ですが、一定の条件下では意義があります。
食べることは誰にとっても素晴らしいことです。
食べることは生きることであり、人生になくてはなりません。
だからこそ、時にペナルティーとして利用する価値があります。
一食抜きは、空腹に耐えるペナルティーです。
痛みは伴いませんが、空腹感というストレスがあります。
誰にとっても大切な食を一食分抜くことで、空腹感によるストレスを味わうことになります。
空腹感というストレスを味わうことも、食の豊かさの1つです。
ストレスはあるものの、比較的「優しいペナルティー」として役立つでしょう。
罰金というペナルティーには経済的ダメージがありますが、一食抜きというペナルティーであれば経済的ダメージはゼロです。
節約にもつながって「お財布に優しいペナルティー」と言えるでしょう。
一食抜きは悪いことばかりではありません。
意外なことですが、一食抜きには有効なメリットが2つあります。
体の臓器は、常に入ってくる食べ物の消化に大忙しです。
一食分を抜くことで、胃腸といった臓器を休めることができます。
肝臓を休ませるために休肝日を設けることがありますが、それと同じ考え方です。
限定的な食制限は、別の見方をすれば「内臓の休憩」になります。
空腹でありながら健康にはプラスに働きます。
「食べないことはこんなに苦しいことなのか」と空腹感に苦しむことになるでしょう。
飽食の時代では、食に対する感謝を忘れがちです。
食を制限する機会を作ると、しっかり空腹を感じることになります。
食べないことで、食べることの感謝と素晴らしさを再認識する機会になります。
取り組む人は、次のポイントに注意してください。
2食連続で食事を抜くのは要注意です。
健康を害することになっては本末転倒ですから、食事を抜くなら一食までにしておきましょう。
一食を抜くなら、できるだけ夕食がおすすめです。
朝食や昼食を抜いてしまうと、日中の活動に身が入らず、悪影響を及ぼすことがあります。
夕食であれば、後は寝るだけですから簡単です。
空腹感がつらくて眠りにくいときは、ホットミルクやホットココアを飲めば、抵抗感が和らぎます。
睡眠時間を合わせれば、半日ほど断食することになります。
夜は空腹感でちょっと苦しいですが、朝はすっきりした目覚めを実感できるでしょう。
やりすぎには注意してください。
あくまで「ペナルティー」としての位置づけであり、必死になったり頻繁に行ったりするものではありません。
何度も繰り返して行うと健康によくありません。
もちろん持病を抱えている人は控えてください。
事情のある人は控えるべきですが、健康な人であれば、一食抜くくらいであれば生命に直結することはないでしょう。
一食抜きは、食の啓発とは反する行いです。
基本食には素直になるべきですが、大人が意味を設けて限定的に行う分には問題ないでしょう。
何らかの過ちを犯して自分にペナルティーを科したいとき、選択肢の1つとして活用してみてください。
ペナルティーでストレスを感じつつも、食の初心を思い出すきっかけになるでしょう。
経済的ダメージがゼロでありながら、健康につながるだけでなく、食の感謝と素晴らしさを再認識する機会にもなります。
一食抜きは、健康にも節約にもつながるペナルティーです。