食べたことがないものがあると、おいしさの程度が気になります。
写真のないメニューなら、なおさらわかりにくいでしょう。
このとき、店員さんに「これっておいしいですか」と聞く人がいます。
ストレートな質問です。
店員さんであれば、そのお店の料理はたいてい食べたことがあり、料理に詳しいはずです。
純粋な気持ちで、経験者に聞いてみようと考える人もいるはずです。
質問の意図がはっきりわかり、誤解される心配もありません。
しかし、おそらく店員さんは困った顔をするでしょう。
一概には言えないからです。
「おいしいですか」という聞き方は要注意です。
心の中で「そんなこと聞かれても困るなあ」と思うでしょう。
おいしさの保証を求められている印象があります。
店員さんは「おいしいと答えて口に合わなければどうしよう」と変な責任を感じてしまいます。
おいしいかどうかは、人によって感じ方が違います。
甘いものなら、すべての人がおいしいと感じるとは限りません。
世の中には、甘いものが苦手な人もいます。
甘いもの好きな人であれば「おいしい」と思いますが、苦手な人なら「まずい」と思うでしょう。
辛いものだから受け入れてもらえないと考えるのも早合点です。
世の中には、辛いものに目がない人もいます。
辛いものが苦手な人なら「最低だ」と思いますが、好きな人であれば「最高だ」と思うでしょう。
人によって好みはさまざま。
人によって好みが正反対ということも少なくありません。
「おいしいですか」と聞きたくなったら、別の言い方に変えましょう。
「どんな料理ですか」と聞けばいいのです。
味や雰囲気を尋ねる質問なら、店員さんも答えやすくなります。
「薄味のものですよ」
「結構甘さがあります」
「歯ごたえがあって、もちもちしていますよ」
「スポンジみたいに柔らかくて食べやすいですよ」
「少し辛いものなので、食べているうちに汗をかくかもしれません」
何らかの説明が返ってくるでしょう。
その説明を手がかりにしながら自分の好みと照らし合わせ、食べたときの想像を膨らませます。
甘さがあるという説明を受け、もともと甘いものが好きであれば「自分の好みに合いそうだな」と思うでしょう。
辛さがあるという説明を受け、もともと辛いのが苦手であれば「ちょっと避けたほうがいいかな」と思うでしょう。
味や雰囲気を尋ねる質問なら店員さんも大歓迎です。