人からアドバイスを求められることがあります。
「こんなトラブルで困っています。どうしたらいいでしょうか」
アドバイスを求められると、自分が頼られた感じがあって、嬉しくなるでしょう。
頼られると応えたくなるのが人間です。
「あなたなら詳しいので知っていそう」と褒められているような気がして、何か役立つアドバイスをしたくなるでしょう。
もちろん本気のアドバイスならいいのです。
考え抜いたアドバイスであれば、きっと相手の役に立つでしょう。
「なるほど」「そうしてみます」と目をきらきら輝かせ、解決に向けたアクションを起こすはずです。
相手の知らない方法を、あなたが知っているかもしれません。
「いいアイデアですね」「そんな方法があったのですね」と相手から驚かれることもあるでしょう。
相手のことを思って考え抜いたアドバイスであれば、きっと役立ち、感謝されるはずです。
解決に直接結びつかなくても、親身な姿勢に心を打たれたり勇気づけられたりすることもあるはずです。
しかし「安易なアドバイス」となると、話は別です。
安易なアドバイスは、相手にとって「毒」になる可能性があるからです。
アドバイスを求められたら、何か言わなければいけないと思いがちですが、ここが要注意です。
その一言のアドバイスが、その人の人生を左右するかもしれません。
アドバイスは本来、責任が伴うものです。
「何か答えなければいけない」と思って、無責任にアドバイスをしないことです。
アドバイスを信じた相手は、ますますトラブルが悪化してしまうかもしれません。
安易なアドバイスは、励ましにもなりません。
むしろ不安を助長させたり元気を奪ったりすることになるでしょう。
「軽くあしらわれた」と怒らせることも少なくありません。
安易なアドバイスなら、最初からしないことが大切なのです。
アドバイスを求められたとき、いいアイデアが思い浮かぶとは限りません。
素晴らしい解決策を知っているとも限りません。
わからないときは、正直に「わからない」と答えることもあっていいのです。
勇気を出して断ることも勇気です。
断ったからと言って相手が怒ることはありません。
「力になれなくてごめんね」と一言言えば、普通に許してもらえるでしょう。
期待に応えられなくても、そのままの関係でいられます。