裁判の傍聴をしたことはありますか。
先入観をなくす方法として、裁判の傍聴が役立ちます。
私たちは「罪を犯した人はすべて悪い」と思いがちです。
もちろん更生の余地が見当たらない最低の犯罪行為もあります。
最初から悪意があって罪を犯した場合であれば、情状酌量の余地もないでしょう。
身勝手で悪質な犯罪を行えば、相当の罪を償わなければいけません。
しかし、すべてがその限りではありません。
罪を犯した人にも、そこに至るまでには複雑な事情がある場合が大半です。
家庭環境や生い立ちなど、酌量すべき事情があるかもしれません。
中には、本人の努力では避けようのない事情があることも少なくありません。
裁判の傍聴をすると、原告と被告が争うことになります。
双方の言い分を聞いて詳しく事情を知ると「正義とは何か」「善悪とは何か」と考えるきっかけになります。
多くの人たちは、何らかの事情や問題を抱えながら生きていることを理解できます。
裁判の傍聴を通して「自分は、恥じることのない生き方ができているだろうか」と振り返る機会にもなるでしょう。
公平な立場で事情を知ることで、見識が広がります。
自分が持っていた先入観・偏見・固定観念が変わっていく体験が得られるはずです。
また裁判の傍聴をすることで、社会を見る目を養われます。
テレビで裁判の話が登場したとき、話の筋が理解しやすくなるでしょう。
ニュースを読み解きやすくなり、現代社会の抱える問題についても見方が鋭くなるはずです。
「執行猶予」「情状酌量」「冤罪」などの意味が身近に感じられるようになれば、ニュースを正しく読み解く力にもなるはずです。
裁判の傍聴は難しいと思っているなら、誤解です。
裁判の傍聴に費用はかかりません。
年齢制限もなく、服装も自由。
裁判中の入室や退室も可能です。
注目裁判でないかぎり、傍聴席の抽選もありません。
裁判の傍聴を通して、本だけでは学べないことを多く得られるはずです。
先入観をなくす取り組みの一環として、裁判の傍聴はいかがでしょうか。