年を取ると、聴力が弱くなります。
一般的に聴力が弱くなることは、よくないことと考えられていますが、本当にそうでしょうか。
たしかに相手の声が聞こえにくくなれば、会話もしづらくなりますが、悪いことばかりではありません。
聴力が弱くなることで得られる幸せがあります。
耳がよく聞こえるのも、大変です。
人の声がよく聞こえます。
人の悪口、妬み、噂など、ささいな言葉ばかりがよく聞こえます。
聞きたくない声まで聞こえるのでは、疲れます。
物音がよく聞こえます。
足音、怒鳴り声など、聞こえすぎると、夜の睡眠の妨げになります。
小さな物音で生活リズムを崩されるのは、迷惑です。
音が聞こえすぎると、そのたびに心の平穏が乱されます。
耳がよく聞こえすぎるのも、考えものです。
「聴力が弱くなって、ちょうどよくなった」と思うことです。
年を取れば、誰でも聴力が弱くなります。
あなたに伝えたいメッセージがあれば、相手は大きな声で語りかけてくれます。
必要な言葉だけが、耳に入ります。
だから、ちょうどいいのです。
より穏やかな気持ちで、人生を歩めます。
90代だから、手に入れられる世界です。
一切の騒がしさから解き放たれ、静寂の境地を歩めます。
聴力が弱くなったおかげで、穏やかになれたのです。
「聴力が弱くなるのも、悪くないなあ」
そう思いながら、今日もにこにこしましょう。