あるとき、人から不本意な先入観を持たれることがあります。
「成績がいいから、この問題も簡単に解けると思っていました」
「口数が少ないから、やる気がないと思っていました」
「この仕事は難しい。あなたにできるはずがないよね」
そうしたことを言われると「そんなことはない。先入観で決め付けないで!」と言い返したくなるでしょう。
自分を悪く誤解されるのは不本意。
ネガティブな先入観で、決め付けたように判断されると、気分がよくありません。
しかし、ここで注意したいことがあります。
実際はあなたも、誰かに先入観を持つことがあるはずです。
初対面の印象が悪ければ、それだけで「感じの悪い人」というレッテルを貼りたくなるでしょう。
本を読んでいて、不快な文章を1行でも見つけたら、本全体を「低評価」と決め付けたくなるでしょう。
仕事の遅い人を見れば「お願いしてもミスをされそうだ」と思い込むこともあるかもしれません。
ある人のネガティブな噂を聞けば、実際に初めて会うとき「要注意人物」という先入観で接してしまうでしょう。
あらためて振り返ると、自分も先入観を持って人を決め付けていることが多いのではないでしょうか。
ですから、こう考えてください。
あなたが先入観を持つことがあるように、あなたが先入観を持たれたときも、腹を立てないこと。
お互いさまです。
完璧な人間は1人もいません。
小さな誤解から認知のゆがみが生じて、先入観・偏見・固定観念ができるのは、誰にでも起こること。
先入観は、悪気があってできるものではなく、仕方ない場合もあります。
あるとき、不本意な先入観を持たれたとしても、腹を立てないことです。
「先入観を持つのは仕方ない。そういうときもあるよね。これから誤解を解いていこう」
そう思えば、穏やかな気持ちで、心を整理しやすくなるでしょう。
小さなことにいらいらせず、おおらかな心を持とうではありませんか。