先入観ができるきっかけは、知識を得ることです。
何らかの情報に触れ、知識を得たとき、少なからず先入観を持ってしまいます。
極論としては「知識を得ることはすべて先入観に関わる」ということになります。
知識を得ることは便利な面がある一方、不便な面もあります。
知識さえなければ先入観もありません。
まったく先入観がないのは、赤ちゃんだけと言えるでしょう。
では、知識を得るのが問題かというと、そうではありません。
知識が問題なのではありません。
偏った知識が問題なのです。
便利な知識も、偏ると、偏見に変わります。
私たちが知識を得るとき、いつの間にか偏ることがあります。
自然に任せて情報に接していると「プラスの情報だけ」「マイナスの情報だけ」といった偏りができやすくなります。
メディアには立場や方向性があり、偏った情報を流してしまうことが少なくありません。
視聴者やスポンサーも意向も無視できません。
また人間には「信じたい情報を信じる」という心理があります。
正しいから信じるとは限りません。
多くの情報に触れても、自分にとって都合のよい情報のほうが心地よいため、取捨選択も偏る傾向があります。
メリットだけを知るのも、デメリットだけを知るのも、最終的に偏見に変わり、悪影響があるのです。
偏った知識が問題なら、対策は単純です。
すなわち、反対の知識を得るのがポイントです。
メリットの知識ばかりを得ていたなら、デメリットについても確認してみます。
メリットしかない話も存在しますが、少数です。
現実では、メリットとデメリットの両方が存在しています。
それぞれの知識をバランスよく吸収していけば、知識を得ても、先入観による悪影響を最小限に抑えられます。
たとえば、ダイエットです。
あらかじめ「食事制限をすれば痩せられる」という知識があっても、あわせてデメリットを確認しておくことが大切です。
カロリーの摂取を制限すれば、脂肪の燃焼が促進されて早く痩せられますが、一方で何らかのデメリットもあるはずです。
調べてみると「筋肉が減って基礎代謝が衰える」「太りやすく痩せにくい体質に変わる」などのデメリットが判明するでしょう。
急激なダイエットは「脂肪肝になりやすい」といった意外な危険性にも気づけます。
メリットとデメリットの両方を知れば、情報の偏りが解消され、フラットな考え方ができるようになります。
結果として、自分に合ったダイエット法なのか、適性を判断できるようになるのです。
何事も2面性が存在します。
メリットだけでなく、デメリットもあります。
効果だけでなく、副作用もあります。
プラスの情報だけでなく、マイナスの情報もあります。
すでに知っている知識だけで満足せず、反対の知識も得ていきましょう。
つまり「両面を見る癖をつける」ということです。
両面の知識を得ることで、思考のバランスが整います。
情報の偏りが解消されることで、先入観が解消されます。