「緊張をしているのか、していないのか」
「少し緊張しているのか、ひどく緊張しているのか」
緊張の判断基準は、曖昧です。
「ここまでは正常状態。ここからが緊張状態」という厳密な区別があるわけではありません。
医学的にも明確な基準や定義はありません。
そのため緊張の判断は、あくまで本人の感覚にゆだねられる場合が大半です。
自分では緊張していないつもりでも、実際は緊張していることがあります。
自分では緊張しているつもりでも、実際は勘違いということもあります。
緊張状態の判断は、どこを見ればいいのでしょうか。
まず注意したいのは、気持ちだけで判断するのは注意が必要です。
気持ちは、本人の思いや精神によってゆがめられやすいからです。
たとえば、本番を乗り越えたい気持ちが強いと、緊張していても「緊張していない」と思う傾向があります。
緊張を認めたくない気持ちが強いと、自分でも無意識のうちに事実や現実をゆがめてしまいがちです。
また見栄やエゴが関係していると、ますます見極めが難しくなります。
では、気持ちで判断できないなら、どこに注目すればいいのか。
最も注目すべきポイントは「体の反応」です。
体の反応は正直です。
緊張とは、交感神経が優位に働くことで、心や体が引き締まる状態のことをいいます。
そのため緊張すると、体に正直な反応が出やすい傾向があります。
たとえ気持ちのうえで「緊張していないつもりだとしても、体には正直に反応が表れます。
たとえば、緊張していない気持ちだったとしても、体にこわばりが自覚できるなら、緊張している証拠です。
そのほか、発汗・震え・動悸などの体の変調も、緊張を証明できる有力な判断材料になります。
発汗・震え・動悸が強くなればなるほど、緊張の度合いも強いと判断できるでしょう。
逆に自分は緊張していると思っていても、体に何も変化がなければ、緊張は勘違いという可能性があります。
体にこわばった感覚がなく、発汗も震えもないなら、さらに緊張は誤解だという可能性が高くなります。
緊張を見極めるなら、自分の気持ちより体の反応に注目してください。
緊張の判断は、自分の気持ちより体の反応のほうが正確です。