私たちは、親と同じ年になると、さまざまなことがわかります。
親の気持ちは、そのときにはわかりません。
数十年後、自分が親と同じ状態になって、初めて理解できます。
自分が子どもを持てば、子を持つ親の気持ちが理解できます。
自分が仕事をすれば、仕事をする親の気持ちが理解できます。
自分が定年を迎えれば、定年を迎えた親の気持ちが理解できます。
私たちの人生は、親の気持ちを理解する連続です。
いつまで続くのかというと、死ぬまで続きます。
70代で、初めてわかる親の気持ちもあります。
病気と戦う気持ち、死を間近にする気持ちなどです。
もちろん当時と時代背景は異なりますが、気持ちは理解できるはずです。
「あのとき親は、こういう気持ちになっていたのか」
「あのとき親は、こういう苦労をしていたのか」
そうわかれば、そっと親に歩み寄ることができるでしょう。
親の気持ちを理解するだけでいいのです。
親の気持ちを理解するのも、親孝行の1つだからです。
すでに親は、亡くなっているかもしれません。
その場合、たくさん理解することで、あの世にいる親に、思いが伝わります。
理解してくれた気持ちを、親はあの世から喜んでいるに違いありません。
供養になります。
親は、より成仏します。
親の気持ちをたくさん理解しながら、私たちは今、生きているのです。