作家にとって近道は、危険です。
近道を通ろうとすると、かえって遠回りになります。
書いてばかりの毎日のほうが、執筆がスムーズに進みそうですが、実際は違います。
本人に経験がないことは、よくわからないため、書きにくくなります。
無理やり書こうとすると、内容が淡泊になり、現実味がなくなります。
作家にとって本当の近道は、遠回りをすることです。
有名な作家ほど、実はよく遊んでいます。
いろいろな食事を楽しんだり、頻繁に旅行に行ったりします。
知り合いと飲みに行ったり、映画を見に行ったり、趣味に没頭したりします。
無駄とも思えるたくさんの遠回りをすることが、作品の質を上げる一番の近道になります。
もし遠回りをすることがあれば、最初から断るのではなく「実は近道ではないか」と考えましょう。
見た目や効率だけで、判断しないことです。
人生に、無駄な経験は、1つもありません。
経験したことは頭の中に蓄積され、一生涯の財産になります。
経験は、誰にも奪われることのない財産です。
どんな優秀な泥棒でも、奪うことができません。
余分とも思える経験が、勝利どころの切り札になるのです。