昼間は、太陽からの日光のおかげで正常な精神を取り戻せます。
失恋直後でも、昼間は太陽の光さえ浴びていれば、比較的正気を取り戻せます。
しかし、問題は、夜です。
失恋直後、夜があれほど怖いと思ったことはありません。
夜に不思議な力があるのは、以前から気づいていました。
夜は少しテンションがおかしくなります。
周りが真っ暗です。
自分の存在が、宙に浮いた感じがあります。
なぜか過去の失敗を思い出して、落ち込んだり、泣きやすくなったり、やる気も生きる希望も失いやすいのです。
とりわけ失恋直後は、夜の魔力が顕著に感じられます。
失恋直後は、自分の存在を否定されたような気持ちになっています。
夜が怖くてたまりませんでした。
夕方、次第に暗くなっていくのに、初めて恐怖を覚えました。
太陽が落ちていくのを見て、これほど悲しいと思ったことはありません。
何気ない夜の存在を、これほど恐れたこともありませんでした。
「夜が怖い」
そんなとき、ふとアイデアを思いつきました。
「外が暗くなる前に寝ればいいんだ」と。
夜と付き合う時間を、できるかぎり短くしようと思いました。
いつも以上に早く寝始め、夜と接する時間を短くしたのです。
失恋直後は、早く寝る生活になったのです。