犬の勉強が不足している飼い主の場合、犬に与えていいものと悪いものを、きちんと勉強しない人がいます。
とりあえず適当に餌をやります。
「食べるなら食べられるのだろう。食べないなら食べられないのだろう」
犬の様子で判断する飼い主がいます。
これは絶対よくありません。
犬は人間の100万倍とも言われる鋭い鼻があり「食べられるかどうか」は、ある程度、においで判断できます。
しかし、あくまで「ある程度」というだけであって、確実ではありません。
においはよく判断しますが、含まれている成分まではわかりません。
犬は、人間と体つきが全然違います。
体つきが違いますから、必要な栄養分や有害になる栄養分も異なります。
たとえば、牛乳です。
牛乳は適度に甘みがあるので、おいしく飲む犬が多いようです。
しかし、飲むときだけであって、飲んだ後が要チェックです。
成犬には牛乳に含まれている乳糖を分解する「ラクターゼ」という酵素が不足しているため、下痢を起こす場合が多いです。
幼犬のときにはこのラクターゼという酵素がたくさんあるので問題ありませんが、成犬になるにつれて少なくなります。
子犬のころは飲んでいたのに、大人になってから飲めなくなるという事情も知っておく必要があります。
また、チョコレートも甘くておいしいので、よく食べます。
よく食べますが、食べてからが問題です。
テオブロミンという有害な物質が含まれているため、貧血を起こしてしまう可能性があります。
生魚も、喜んで食べます。
肉は犬の大好物です。
しかし、食べているときにうっかり骨が喉に突き刺さって、大事に至ることがあります。
そもそも生の魚には、ビタミンB1を破壊する酵素が含まれています。
長期間食べ続けていると、元気をなくしたり、脚気になったりなど、犬の体調が悪くなる場合があります。
このように、犬が喜んで食べるものが、必ずしも犬に与えていい物とは限りません。
おいしそうに食べていても、後から体調の異変を来すことがあります。
飼い主は、あらかじめ与えてはいけない物だけでも頭に入れておくようにしましょう。
犬に与えていい物はたくさんありますが、与えてはいけない物は数える程度です。