しつけというのは「親から子へ」と一方的になりがちです。
「ああしなさい」「こうしなさい」と親が言うことに対して、子どもは「はい」と言って、したがいます。
子どもだから素直に従うでしょう。
しかし、したがっているからとはいえ、その意味を本当に理解しているかどうかは、疑問です。
親から子へ一方的な指示が続くと、子どもは「親の言うとおりにしていればいい」と思うようになります。
親がしつけるときの基本は「理由をセットにして叱ること」です。
「なぜいけないのか」をきちんと伝えながらしつけていくと、子どもの理解が促されます。
さて、そういうしつけをしていく中で、ときどき親は子どもの理解度をチェックです。
頭の中までは目に見えません。
子どもが頭できちんと理解できているかどうかを、尋ねてみることで確かめます。
本当に意味を理解してこそ、しつけの意味があります。
そこで魔法の言葉があります。
「なぜ」です。
ある程度、子どもの行儀がよくなったとき、ふと子どもに優しく質問してみましょう。
「なぜ挨拶は必要かな?」
「なぜ挨拶をしたほうがいいと思う」
「なぜ仲直りをしたほうがいいの?」
「なぜ勉強は必要かな?」
もし、質問に答えられたときには、子どもが行動の意味をきちんと理解している証拠です。
自分の言葉で発言するのは、いわばアウトプットです。
教育は「インプット」というアプローチだけではなく「アウトプット」というアプローチも必要です。
答えられたときには、思いきり褒めてあげましょう。
もし、答えられなくてもいきなり怒鳴らないでください。
答えられないときには、親がしつけるとき、理由をきちんと言っていないか、よく理解できていないということです。
理由が説明できなくても、子どもが悪いと一方的に決め付けず、まず親を振り返ってみましょう。
親の説明のスピードが速すぎるかもしれません。
少し難しい言葉を使っているのかもしれません。
一度に数多くのことを言いすぎているのかもしれません。
もう一度、きちんと理由を説明する。
わからなければ、わかるまで優しく丁寧に教える。
これらを、いかに粘り強く続けるかなのです。