受験生のときの、ある日のことです。
母から気に障るようなことを言われ、いらいらして自分の部屋のドアを蹴ってしまったことがありました。
実は母から何を言われたのかは、覚えていません。
覚えていないくらい、ささいなことです。
受験のストレスをため込んでいる時期には、ささいなことでも強く反応してしまいます。
強く蹴ったせいで、ドアの下側には大きな穴が開いてしまいました。
一度開いた穴は、ドアごと変えないかぎり、修復が難しい状態でした。
そのときはストレスでいっぱいでしたが、後から冷静になったとき、自分のしたことを恥じました。
「ぶつける対象が悪かったな」と反省しました。
せめてぶつける対象を、もっと別のものにすればよかった。
誰にも迷惑がかからず、自分のためになるような吐き出し方です。
そこで思いついたのは、ダンベルでした。
私の部屋には、体操部だったころに使っていた8キログラムのダンベルがありました。
いらいらしたときには強いパワーが発生します。
パワーが発生して吐き出したい状況と、パワーが必要なダンベルの条件が一致しました。
その後、いらいらしたときには、ダンベルで筋トレをするようになりました。
ドアをけるのはやめて、ダンベルを持ち上げます。
ダンベルを使った筋トレでストレスを吐き出すようになり、ストレスコントロールがうまくできるようになりました。
体格がよくなり、筋肉がついたせいか、風邪も引きにくくなりました。
笑える話ですが、これはこれでおすすめです。
吐き出し方を少し工夫すれば、意外な利益をもたらします。
あなたも、いらいらする気持ちになるときがあるでしょう。
そのときは、無理にいらいらを抑えるのではなく、吐き出しましょう。
ただし、吐き出し方を少し工夫しましょう。
近所の人通りの少ない道に出て、思いきり100メートルダッシュをしてみましょう。
一瞬にして気持ちがすっきりするはずです。
もちろん100メートルダッシュが苦手な人は、ジョギングでもOKです。
スイミングでもいいでしょう。
筋トレのいい機会です。
いらいらは、すぐ解決するものなのです。