「世間知らず」という言葉があります。
知識や経験が乏しくて、自分の知識や経験がすべてだと思い込んでいる状態のことです。
外の世界を知らないということです。
世間知らずは、自分が井の中にいることになかなか気づきにくい。
そもそも知識や見識が限られているので、自分が狭い世界にいることを認識しにくいです。
誰しも「世間知らずにはなりたくない」と思います。
しかし、あらためて考えると「世間知らず」というのは、実は誰しも必ず通る道です。
生まれたときは、みんな、知識も体験もゼロの状態だからです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、知識も体験もゼロです。
常識はもちろん、話が通じるはずもありません。
当然、世間知らずです。
知識や体験がなくて、外の世界を知らない。
成長をするにつれ、親や友人、先生からたくさんの知識や常識を学びます。
大人になるにつれて、2種類の人にわかれます。
「世間知らずのままの人」と「井の中から抜け出している人」でわかれます。
両者のわかれ目や違いは、どこになるのでしょうか。
それは「謙虚になるかどうか」です。
知識が乏しくて見識が狭ければ、失敗や過ち、勘違いは必ず起こります。
起こるべくして起こることです。
そのとき、他人から指摘を受けることでしょう。
思い込みや勘違いから、過ちを犯すこともあるでしょう。
そういうとき、横柄な態度になっていると、人の話を聞かなくなるため、知識を拒否してしまいます。
殻に閉じこもったままになり、新しい知識や見識を広めることができず、なかなか井の中から脱出しにくい。
「知りません」という発言に恥ずかしさを感じていることもあるでしょう。
最初は誰でも世間知らずですから、世間知らずであることに恥ずかしさを感じる必要はありません。
本当に恥ずかしさを感じるべきところは「謙虚を忘れ、横柄になっていること」です。
しかし、謙虚になれば大丈夫です。
謙虚ならその人は救われます。
人の知識がどんどん吸収できるようになるからです。
新しい知識を吸収し、見識を広めるチャンスになり、井の中から脱出できます。
井の中から抜け出すためには、他人に引っ張りあげてもらう必要があります。
「助けの手なんていらないぜ」と意地を張ったり横柄になったりしている人は、いつまでも井の中から抜け出せないのです。