先日、私の校正担当者から「適度に括弧があって、読みやすいですよ」という、お褒めの言葉をいただきました。
たしかに私は、大切なところは「括弧」で強調しています。
括弧は、額縁です。
賞を取ったら額縁に入れて飾るように、大切な言葉には額縁に入れたくなるのです。
もう1つ、大切な意味を込めています。
私にとって括弧に入れている言葉は「圧縮語」でもあります。
たくさんの意味をたくさんの言葉で説明するより、一言に圧縮しておきたい言葉があります。
良い例が「ありがとう」です。
ありがとうで、私はたくさんの話を書けます。
何冊でも、本が書けてしまいそうです。
しかし、それらをいちいち文章にしてしまっていては、紙が何枚あっても足りなくなります。
そこで、一言に圧縮するのです。
それが「ありがとう」です。
長い文章を読むより、一言「ありがとう」と書かれているほうが、よほど心にじんときます。
大切なところは「括弧」で強調してみましょう。
言いたいことがたくさんあって、言い切れないときは、一言で圧縮してみましょう。
括弧は、文章を読みやすく理解しやすくさせてくれる額縁なのです。