私たちは小学生のとき、掛け算の九九を覚えます。
いちいち九九を計算して、答えをはじき出すのでは時間がかかります。
そこで計算して答えを出すのではなく、丸暗記してしまいます。
完全に暗記の作業です。
小学生の低学年の時期に、81通りのパターンを暗記するのは大変な作業です。
しかし、その暗記ができるからこそ、割り算もできるようになります。
その後、数学の問題がレベルアップしても、掛け算という暗記をしていたからこそ、計算がスムーズになります。
初めに面倒な暗記をしたからこそ、掛け算で無駄な時間を使わなくて済みます。
算数だけに限った話ではありません。
理科の問題でも、掛け算を使って問題を解くことがあります。
社会の科目で、生活費を計算するときも、掛け算が必要です。
低学年で経験した暗記は、ほかの教科にも役立ちます。
素早くできる計算術の根底には「暗記の力」があります。
社会人でも仕事の速い人は、頭の回転が速いのではありません。
実は、暗記に頼っているからです。
メモを取るのはたしかに素晴らしい姿勢ですが、思い出すときにいつもメモ帳を見返すのでは時間がかかります。
そこで、仕事で必要な「基本的な知識」は、前もって丸暗記しておきます。
仕事の速い人は、必ずどこかで膨大な暗記をしています。
九九のように「用語」も「仕組み」も丸暗記して、仕事が詰まることのないようにします。
丸暗記したとき、スピードが生まれます。
瞬時に発言できたり、いちいちメモ帳を開く必要がなくなり、人の話を抵抗なく聞いたりできます。
上司や同僚との会話もスムーズにでき、人間関係にもいい影響を及ぼすのです。