私が新人だったころ、先輩と一緒にランチをよく食べに行っていました。
行きつけの食堂があったのですが、なぜいつもそこに通っているのかというと、はっきりした理由はありませんでした。
強いて言えば「日替わりランチ定食」があるからでした。
ボリュームは十分で、値段も手頃でした。
経済的であり、おなかいっぱいに食べられるなら、文句はありません。
驚いたことに、その日替わりメニューは、同じパターンで出るものではありませんでした。
曜日によって出る食事が決まっているわけではなく、店長の気分のためか、不定期に変わります。
本当に何が出るか、まったくの不規則でした。
まさに「日替わりランチは、来店しないとわからない」という状態です。
先輩は、その日替わりランチ定食が、大のお気に入りでした。
私も「今日は、どんなランチかな」と期待を膨らませて、店に向かっていました。
そんなとき、ふと思いました。
「日替わり」というのは、売り上げアップにつながるキーワードです。
「日替わり」という名前がついていると、なぜか、どきどきします。
人間は「新しい刺激が欲しい」という欲求があります。
私たちが新聞を広げて読むのも「何か新しいことはないかな」と思うからです。
テレビのスイッチを入れてしまうのも「何か面白い番組はないかな」と新鮮な刺激を求めようとする心理があるからです。
新商品が発売されると、特に理由はなく、手に取ってしまいます。
すなわち「人間は新しいものが大好き」です。
日替わりメニューがあると、毎日新しく変化するメニューにお客さまはどきどきします。
新しさを知りたいがゆえに、来店してしまいます。
あなたのお店には、毎日新しく変化するものがありますか。