雨が降ったとき、書店やレストランでは「傘袋」を用意してくれます。
ナイロンでできた半透明の袋であり、入り口付近にあるのが定番です。
傘が濡れているのに、傘袋を使わず、適当にたたんで店内に入る人がいます。
自分勝手な人は、小雨のとき、傘袋を使いません。
「いちいち袋に入れるのが面倒」「大して濡れていないから大丈夫」など思っているのです。
たしかに傘を折りたたんで袋に入れる作業は少しだけ手間がかかります。
こういう人がいると、店員さんは眉をひそめるでしょう。
店側が傘袋をわざわざ用意しているのは「気を利かせているから」です。
まずお客さまである自分が濡れないために、傘袋を用意しています。
傘袋の費用は、店側の負担です。
これだけでもありがたいことです。
さらにもう1つ大切な意味があります。
店内で傘から水滴がこぼれ落ちることを防止するためです。
書店の場合、水滴が本の上にこぼれてしまえば、商品が台無しになります。
レストランの場合、店内で傘から水滴がこぼれ落ちると、床が汚れたり滑りやすくなったりします。
食事を運ぶウエイター・ウエイトレスが、水滴のために滑って転んで、運んでいる料理をひっくり返してしまうかもしれません。
食事を運ぶウエイター・ウエイトレスの迷惑になるばかりでなく、食事を待っているお客さまにも迷惑です。
掃除をする手間も増えることでしょう。
だからこそ雨が降った日は、店側が気を利かせて傘袋を用意しています。
「傘袋の費用は店が負担してもいいから、傘袋に傘を入れてから入店してください」という主張です。
その意味を私たちが理解して、店内に入るときには、傘袋に傘を入れてから店内に入るのがマナーです。
きちんと傘袋を使う人が、お店から好かれる良いお客さんです。