ときどき書店で長時間立ち読みをしている人がいます。
本棚の前でずっと本を持ったまま動きません。
そのまま1冊を読み切ってしまいます。
本を買うお金がもったいないので、立ち読みで1冊読み切ろうと粘っているのです。
なかには1日中、書店に入り浸り、いろいろな本を購入することなく読破していく人もいます。
もちろん法には触れていません。
お店の人から注意を受けることはなく、出入り禁止になることもないはずです。
しかし、いくら得をするとはいえ、注意したい行為です。
法には触れていなくても、モラルに欠けた行為といえるからです。
目次をチェックしたり数ページ読んだりする程度なら許容範囲ですが、それでも限度があります。
購入することなく、立ち読みで1冊読み切ると、ただで作品を楽しんだことになります。
著者にも印税が入りません。
「情報の泥棒」と同じことであり、万引犯と同じと思われても仕方ありません。
書店に迷惑をかけていないから大丈夫と思っているなら誤解です。
書店では万引を防ぐため、お客さんを監視しています。
いまや書店に監視カメラが設置されているのは当たり前の光景となりました。
長時間立ち読みをするお客さんがいると、監視を強化しなければいけなくなり、書店の迷惑になります。
「面白そう」「役立ちそう」と思ったら、すぐレジでお会計を済ませましょう。
お店の負担も軽くなります。
お店の売上が上がるのはもちろん、著者にも印税が入ります。
本は、著者の血と汗の結晶です。
著者は多大な時間と労力を割いて、1冊を書き上げました。
著者に敬意を払うためにも、きちんと購入するのが一番です。
購入すれば、好きなだけ思いきり本を読めます。
ボールペンで線を引いたり余白にメモを書いたりすることも自由です。
身銭を切ることで集中力や吸収力が高まって、身につきやすくなるメリットもあります。
本を買うことは、著者を応援することになります。
著者に印税が入れば、そのお金でさらに有益な著書の創出につながり、私たち読者のためにもなります。
本を買うことは「自分のため」「お店のため」「著者のため」の3拍子がそろっているのです。