私がニューヨークへ旅行に行ったとき、ウォール街というビジネス街を観光したことがありました。
世界でも有数のビジネス街です。
そこを歩くビジネスマンは、みな頭がよさそうに見えました。
落ち着きのあるスーツに、カバンを持って歩いている姿は、いかにも「仕事のできる人」という感じがします。
だからとはいえすべての人が、そのように頭よさそうに映ったわけではありませんでした。
一方で「この人、大丈夫かな」と心配になるビジネスマンも、ときおり見かけました。
この両者には、スーツを着て、カバンを片手に歩いている姿に大きな差はありません。
しかし、外見だけから、なぜこうも大きく印象が変わってしまったのでしょうか。
ポイントは「歩く速さ」です。
先ほどの頭がよさそうに映ったビジネスマンは、早足で歩いていました。
向かうところが明確であり、集中していることがうかがえます。
それに対して後者のビジネスマンは、ゆっくり歩き、道に迷っているかのような歩き方でした。
きょろきょろしながら落ち着きがなく、ゆっくり歩いているため、頼りなく映ったのです。
2人の違いは、歩く速さの違いだけです。
しかし「歩く速さ」だけで、印象が変わるのです。
ゆっくり歩く姿と早足で歩く姿とでは、受ける印象が異なります。
早足で歩くほうが、賢く、頭よさそうに映ります。
自分のやるべき仕事に向かって急いで歩いている姿に映り、強さを感じるのです。