「趣味はコスプレ」という人がいます。
衣装代や美容代に時間とお金をかけています。
衣装も手作りで、生地や刺繍に時間とお金を惜しみなくつぎ込んでいます。
キャラクターになりきれるよう、細かいところまで凝っていて徹底しています。
ところが、客観的に見ると、時間とお金をかけているほどの出来ではありません。
どちらかというと、ちょっと失敗しているパターンです。
「ちょっと違う」「そうじゃない」「そもそも骨格から違っている」と突っ込みたくなるケースは少なくないものです。
それでも本人は大満足の様子です。
写真をぱしゃぱしゃ撮っています。
満足げに「よくできている」「ばっちり決まっている」と思っていて、幸せそうです。
「趣味は美容整形」という人がいます。
お金が貯まっては、顔の気になるところを整形します。
目、鼻、口元、顎、えら、輪郭。
顔のあちこちを美容整形していて、これまで何度も手術を行いました。
これまで美容整形にかけた金額は数百万円に上ります。
ところが客観的に見ると、きれいになっているというより、おかしくなっています。
明らかにやり過ぎの状態になっていて、顔全体のバランスがおかしくなっているのです。
美容整形をしていくにつれて、きれいになるどころか、かえって不自然になっています。
ビフォア・アフターを比較すると「整形前のほうが良かった」というケースが少なくありません。
しかしそれでも本人はご満悦の様子です。
美容整形をしたことを後悔していません。
昔からのコンプレックスが解消されたことで、以前より笑顔が増えていて、明るくなっているのです。
嬉しそうに「理想の自分になれた!」と喜んでいるのです。
結局のところ、コスプレも美容整形も自己満足です。
周りが見て良いと感じるかどうかより、自分が見て良いと感じるかどうかです。
周りがおかしいと言おうが、本人が満足していれば正解です。
コスプレも美容整形も、本人が満足しているなら、外野がとやかく言うことではありません。
自分のお金でやっているし、リスクを承知のうえでやっています。
コスプレや美容整形に限ったことではありません。
そもそもすべての趣味が、自己満足の世界です。
誰かに褒められるためにやっているわけでもなく、自分を満足させるためにやっています。
大会やコンクールで発表するなら別ですが、1人で気ままに楽しむ趣味なら、完全に自己満足です。
仕事とは違って、社会的責任があるわけでもありません。
「なりたい自分」が実現されていれば、それでいいのです。