「死」があることを嘆いてはいけません。
死があることは、ありがたいことです。
受験は終わりがあるから集中できるように、人生も終わりがあるから集中できます。
限りがあるとわかっているから頑張れます。
適度なタイムプレッシャーが、集中力と行動力を高めるのです。
一生懸命になれるから、時間が濃密になっていき、楽しさもアップします。
仮に永遠の命を手に入れ、人生が無限に続くとなるとどうなるでしょうか。
不老不死の人生は素晴らしく思えますが、実際は惰性に襲われ、だらだらしてしまうに違いありません。
「時間は無制限にある」と思うと、まったく急ぐ必要がなくなります。
計画も段取りも不要になります。
「別に今やらなくていい」「また今度すればいい」という思考に陥ってしまいます。
何もやる気が起きず、永遠にやらなくなるでしょう。
「死」という概念がなくなれば、緊張感がなくなり、人生はつまらないものになるはずです。
死があるからこそ「今を一生懸命生きよう!」「限りある人生を楽しもう!」となります。
残り時間を意識できるから、高い集中力が生まれます。
そして、すべてのことが楽しくなるのです。
死は、すべての人が迎える、人生の終着駅です。
自分一人だけ迎えるものであれば孤独を感じますが「すべての人が最後に迎えるもの」と思えば、怖いことではなくなります。
一体感や仲間意識が生まれるのです。
死は、いつ訪れるかわかりません。
老衰するとは限りません。
事故や事件で急死することもあります。
いつ訪れるかわからないから「何事も早めにやったほうが良い」という前倒し思考となり、行動力が生まれます。
人生は思いどおりにいかないし、思いもよらないこともたくさん起こります。
時には矛盾にぶつかることもあります。
そうしたことを含めて「楽しい」のです。
「死」というデッドラインがあるおかげで、目の前のことに没頭できます。
泣いても一生、笑っても一生。
死の締め切りに間に合うよう、悔いのない人生を送りましょう。